《金粉のドレイク》はEDHの定番カードの一つ。
印刷されたテキストから、様々な変更を経て今の能力はこうなっている。
金粉のドレイクが戦場に出たとき、対戦相手1人がコントロールするクリーチャーを最大1体まで対象とし、金粉のドレイクとそれのコントロールを交換する。交換しないまたはできないなら、金粉のドレイクを生け贄に捧げる。この能力は、その対象が不正になったとしても解決される。
http://whisper.wisdom-guild.net/card/Gilded+Drake/
2マナという破格コストでクリーチャーのコントロールを奪うカード。
EDHでは統率者がいるためクリーチャーの除去の価値は高いが、一方で多人数戦では除去を使うと、使った人と使われた人が損をする(他のプレイヤーが相対的に得をする)。
しかしコントロールを奪うと、使われた人だけが基本的には損をするため、自分が損しにくい。
通常の除去よりも統率者を処理する能力が高い点も特徴で、除去してもマナがあると再キャストされてしまうが、コントロールを奪うと取り返す手段は限られるし、最悪の場合、相手は自ら除去をして、統率者を唱えなおすという手間になる。
更に相手の統率者を奪った場合、自分の《激情の貢献》《偏向はたき》がコスト無しで唱えられるようになる。
《激情の貢献》の『統率者』とは、自分がオーナーのものに限定していない。
また、相手に渡す3/3飛行はEDHのライフ40ではデメリットになりにくいどころか、むしろメリットになることもある。
除去でガラ空きにしてしまうと、別の対戦相手の《織り手のティムナ》でドローされてしまうが、3/3飛行は《ティムナ》から出てくる生物をガッチリ受け止めてくれる。
逆に自分が《ティムナ》を使うと、相手に3/3飛行を渡してしまうと殴れなくなってしまうのだが、通常は《クラム》のような乗り越えられるサイズのクリーチャーか、もっと価値のある生物を奪うので余り問題にならない。
《金粉のドレイク》の更なる利点としては、青いので《意思の力》《否定の力》のコストに出来る。
多色デッキだと強力なアーティファクトのマナ加速、黒のチューターなどでデッキが埋まって、青いカードは減りがちで、青いカードの枚数確保は重要な課題。
メリットばかり話したが普通の除去と比べてデメリットもあって、
①2KILLを狙う赤黒のコンボデッキには基本的には無効。
例えば《ログラクフ》を除去することは《弱者選別》のコストにされないようにすることで減速させられるので大事だが、コントロールを交換しても《金粉のドレイク》を生け贄にされるので仕方ない。
②ソーサリータイミングなので小回りが利かない。
例えばコンボの途中に割って妨害は出来ないし、相手のエンド時に邪魔のクリーチャーを除去して一気に仕掛けるといった立ち回りは困難。
とはいえ《ティムナ》《クラム》が最有力デッキである現環境では、統率者を奪うという役割は保障されていると思うし、《フェアリーの黒幕》のような軽いのにゲームを決める強さがある生物は出来れば奪いたいので、基本的には採用が得だと思う。
《金粉のドレイク》を使う上では2つの重要なルールを覚えておくと良い。
まず、場に出たときの能力に対応して《金粉のドレイク》を除去すると交換出来ないので、クリーチャーを奪われない。
《金粉のドレイク》対策としてインスタントの除去は重要。
もう一つは、コントロール交換効果はプレイヤーが敗北すると終わると言うこと。
ここでルールを確認。
800.4a プレイヤーがゲームから離れたら、そのプレイヤーがオーナーであるすべてのオブジェクト(rule 109 参照)はゲームから離れ、そのプレイヤーにコントロールを得させている効果は終わる。…
総合ルールより
例えばプレイヤーAが《金粉のドレイク》を使い、プレイヤーBの《統率者》を奪ったとする。
ここでプレイヤーAが敗北すると、《統率者》のコントロールはプレイヤーBに戻る。
逆にプレイヤーBが敗北すると、《金粉のドレイク》のコントロールがプレイヤーAに戻る。
どちらの場合も敗北したプレイヤーがオーナーだったカードは追放される。
ちなみに《袖の下》のようにコントロールを得させる効果ではないもので奪われた場合、奪ったプレイヤーが敗北したら一緒にクリーチャーも追放される。
あくまで、敗北したプレイヤーへのコントロール変更効果は元に戻るというだけである。
というわけで、《金粉のドレイク》の特徴とルールについて解説おわり。
EDH需要に加えて再録禁止のため値上がりが激しいが、ここ一年くらいは大きな変動はない。
絶対必須というわけではなく、やはり除去はインスタントが使いやすいので、例えば青単の除去であれば《猿術》《急速混成》《再造形》あたりと選択になる。
ただし対戦相手に使われる機会が多いカードでもあるので、ルールは把握しておいた方が良いと思う。
ではまた。
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