最近はEDHの大会も増え、色んな統率者が優勝していて、大会に参加していない自分も面白く思って記事を読んでいる。
実際に色んなデッキにチャンスがあることはEDHの魅力でもある。
個々のデッキ解説の記事は多いものの、デッキ構築の総論的な記事は少なく思う。
最近のしもっちさんのnote記事は非常に参考になるものであり、なるべく重複ないように書きたい。
ちなみに今回の記事はEDH初心者向けで、神決に出る様な人にはあまり参考にならない。
なぜなら、僕は神決に出たことがないので。
今日の記事の主なターゲットはMtGプレイヤーにありがちな(?)社会人になって仕事や家庭に時間を取られ、カードを触る時間が減ったけれど、デッキを組んで、楽しんで、ある程度は勝ちたい人。
環境変化がめまぐるしい他のフォーマットと違って、EDHは必死に環境を追いかけなくても、何とかデッキにはなる。
どちらかというと初心者向き。今日はそんな自分のデッキの組み方について。
勝利までの道筋を考える
EDHには伝統的に100枚解説なるものがあるが、初心者向きではないし、最初に手を出すことでもない。
個々の解説から大筋が垣間見える場合もあるが、大抵のこの手の解説に欠落しているのはゲームプラン。試合運び。
良く出来た他の環境(スタンやレガシー)のデッキ紹介は、こうなっているはず。
パターンA
- ◇◇と□□のコンボがある
これらを揃えるためにこのカードを使う - 別のカードでもコンボを代替できる
- コンボ成立の時間稼ぎのためにコレを使う
- こんなピンチな状況に備えて小技も
パターンB
- この環境には○○と△△という有力デッキがある
- それらのデッキの強い点は…
- 逆に弱い点は…
- そこで、その隙をついたのがこのデッキ
- こんなカードやあんなカードが無策の相手を圧倒する
EDHは基本的にはコンボデッキなので、まずは前者のような組み方を考える。
後者では環境を理解することでメタ的に強いカードを組み込んでいくわけだが、実際にプレイを重ねてからの話。
EDHはハイランダーの100枚で、デッキスロットが多いため、両者のアプローチを同時に採用する。
そして勝利までの道筋は可能な限り具体的に考える。
「このデッキは4KILL出来ます!」
これではコンセプトとして不十分である。
4ターン目まで対戦相手3人が棒立ちしていることは無い。
相手の“攻撃”というのは他の環境ではクリーチャーによるアタックだが、EDHでは基本はコンボや致命的な妨害カード。
基本的には相手の妨害を考慮しなくて良い戦術は2ターン目までであり、それよりゲームが長引く場合には、対戦相手を出し抜く手段が必要になる。
じゃあ《沈黙》を使ってコンボします!というのも△。
対戦相手を差し置いて自分だけコンボパーツ+αを揃えられる理由がない。
例えば統率者やデッキ全体でドローを多くすれば出し抜けそうに思えるが、実際にはそうでもない。
対戦相手は《リスティックの研究》で手札が溢れかえってるかもしれないし、最近では《一つの指輪》のアクセスを強めて何度もアンタップするデッキもあり、むしろ意識しないと手札差を付けられる環境。
これに対抗できる何か、もしくは同じことをした上で追加要素で差別化を考える。
最近自分が組んだデッキの誕生経緯
先の項目では敢えて具体的なカードにあまり触れなかったが、EDHに馴染みの無い人にとっては理解しにくかったと思う。
やはり具体例が必要。
ここ数年間で世の中に広まる前に目を付け、一定の強さがあると考えられる2つのデッキの構築に至った経緯を紹介する。
《ログラクフ》&《テヴェシュ》の場合
《むかつき》にオールインのしもっちさんとミッドレンジに寄せた無印さんのデッキが有名な中、僕に語るだけの権限あるのか?
一応、統率者レジェンズの発売当日にログテヴェのリストを挙げているので早期に着目した一人として語らせて下さい(その後は調整放棄)。
僕自身はこの組み合わせが強いという所からスタートしたのでは無くて、別のコンセプトを考えていた時に偶発的に高パワーの共闘を見つけたという感じなので、如何にして発売前に目を付け組み上げたのかを話すことは、今後のデッキ構築の参考になるのでは無いかと思う。
《タッサの神託者》コンボが圧倒的に強く、統率者レジェンズの発表当初は《ログラクフ》《サイラス》が有力だった。
《死の国からの脱出》コンボも当初は《思考停止》と組み合わせることが通常で、その意味でも青無し構築には大きなハンデがあった。
大会に向けてデッキを組む人達は意図的に情報を隠していたかもしれないが、発売前後には本当に《テヴェシュ》は話題に上がっていなかった。
そんな中、当時の自分は《血の取引者、ヴィリス》を軸にした黒がメインのデッキを何とかして組みたいと思っていた。
色々と理由はあるが、とにかく《納墓》《再活性》からの8枚ドローが楽しすぎるため。
ただ黒は他の色と組み合わせないと意外と遅いデッキになりがち。
最初は《スランの医師、ヨーグモス》を統率者にしたがモッサリしすぎ。
《ヴィリス》優先のためサーチカードは《納墓》《再活性》に使いたく、マナ加速を探すことに使いにくかった点も良くなかった(統率者全振りならマナ加速サーチを優先なんだけどね)
そこで当時は《悪魔の意図》《弱者選別》など生け贄要因の確保も兼ねて緑マナクリから展開して、隙を見て《ヴィリス》を釣る《ティムナ》《コンドー》を組んでみたが、緑の召喚酔いと黒の即効性がどうにも噛み合わずイマイチ。
ただ黒以外の色を足してマナ加速を補い、《ヴィリス》を釣れない初手の時に統率者のドローで誤魔化す構築が良いことは分かった。
《ヴィリス》と組み合わせて強い《Burnt Offering》を使いたいから赤を入れたいし、緑よりも赤の方が儀式系カードが多くて瞬間的なマナ加速が多いし…
このタイミングで発表された《ログラクフ》《テヴェシュ》はまさに求めていた統率者。
最適に辿り着いたのである。
結果的には、儀式系カードと《テヴェシュ》の相性がめちゃくちゃよくて、既存のデッキと明確に違う挙動から、この2枚の組み合わせは初見殺し要素が強く、もはや《ヴィリス》なんて霞む化け物が生まれた。
それでも《ヴィリス》を使いたかったことと、他デッキのチューニングに時間が取れなかったり、《コルヴォルド》に乗り換えために残念ながら昇華させることは出来なかった。
が、ここから得られる教訓はある。
好きなカード、使いたいカードを生かすことを考え続けながらリストを見たときにしか見えないものがある。
そこから偶発的に強デッキが生まれることもある。
《ギランラ》&《東の樹の木霊》の場合
緑でエルフやファッティを並べるのは好きで、実際に《艦長シッセイ》《モミール・ヴィグ》《養育者、マーウィン》など使ってきた。
動かし方はわりと単純で、例えば《マーウィン》はこう。
1ターン目にマナクリ、2ターン目に統率者を出して、3ターン目が来る前に統率者が死んでやることが無くなる。
?
もう一度言うが、召喚酔いのうちに除去を受けて、デッキ全体が《マーウィン》の生存が前提のカードで固めているために動けなくなる。
除去されなくても仕掛けるタイミングが分かりやすいから妨害を構えられて思うように動けない。
これ、統率者が一番要らないのでは?
EDHで強いのはオープンリーチではなく奇襲性。
統率者は確実に使えるカードで、再現性の高い戦術を作りやすいが、一つ注意点がある。
次のターンが回ってきたら勝ちますよ!というレベルで強い統率者は、対戦相手全員から妨害の的になり、想定した戦術が出来ないことが常。
そこで思うのである。
統率者を絶妙な強さのカードにして、絶対に妨害されないカードにしては?
また、別の話として、当時《東の樹の木霊》は《千の顔の逆嶋》との共闘が専らだったが、正直なところ統率者2枚のコンボは弱いと思っていたし、《東の樹の木霊》を出すまでがキツかった。
でも面白い動きをするから使いたい。
緑単好き!ファッティ並べたい!そんな希望の中で生まれたのが《ギランラ》との組み合わせである。
普通共闘は色を増やすために使うので《ダーゴ》《ジェスカ》のような特別なシナジー効果がなく単色にするのは、緑単を使いたい!という思いがないと中々思い浮かばないかもしれない。
実際にMoxfieldでも同組み合わせのリストは少なく、自分のリストが桁違いに閲覧数がトップ(それでも2000強だけど)。
みんなこの組み合わせに興味が無い。
明らかにマイナーな使い方。
しかし、この組み合わせは《ギランラ》の絶妙な弱さと安定感が功を奏して、意外にも《タッサの神託者》や赤黒速攻デッキを相手にしても勝つことは期待できた。
最近のEDH的には緑単はかなり苦境だが…
逆風だとしても緑単は使い続けるけどね。
少し逸れたが、ここで得られる知見は、統率者は必ずしも強いカードである必要は無いということ。
むしろ、ある程度強さを抑えて確実な仕事を期待することも一つの戦術である。
そういう意味では、今は弱いと思われている多くの統率者は、実は磨けば光る原石の宝庫なのでは?
その愛すべき統率者のことを考えながらカードリストを眺めれば、きっと良いカードが見つかるし、新しいセットが出た時に強カードを発掘できるでしょう。
コンボを知る
どんな分野でも知識が無ければ新しいものは生まれない。
EDHで使われるコンボ、有力な戦略を知らなければならない。
戦略については個々の統率者で大きく変わってくるので、色んな人の構築記事を読むのが良い。
特に1-3ターン目の序盤の展開や攻防に触れられているものは価値が高いと思う。
この中には汎用固有の様々なコンボも紹介されるが、コンボについては必ずしも一線級のもので無くても良いというのが持論。
確かに《タッサの神託者》《死の国からの脱出》はEDH筆頭の最強格だが、その他のコンボも沢山使われる。
コンボ自体の強さよりも、そこに至るプロセスの方が大事。
一見して劣るコンボでも統率者を絡めることで昇華される場合がある。
最近の例だと《ドラゴンの嵐》
《ドラゴンの嵐》は名前からして格好よく、昔からファンの多いカードではある。
コンボルートは色々あるが、赤単でも勝つことは可能。
実際にはマナ加速やサーチカードの都合で黒を足した方が強くなるのだが、その時にライバルとなるのが《深淵への覗き込み》
《ドラゴンの嵐》より軽くて、ストームを稼ぐ必要もなく、弱いドラゴンを入れる必要も無い《深淵への覗き込み》の方が優先されるのは当然なのだが、最近になって少し事情が変わる。
《戦争の世継ぎ、ローアン》
不特定マナを減らすため総コストよりも色拘束の少ないカードの方が手数増に繋がり重宝される。
《深淵への覗き込み》を使うには黒3マナ必要だが、色拘束の緩いカード3枚分に相当する。
《ドラゴンの嵐》ならば(失うライフ次第だが)、《悪魔の教示者》を経由して、もう1枚スペルを使えてしまう。
このように既存のコンボの欠点やあと一歩足りないところが新カードによって補われることで実戦級になることは良くある。
今の段階では少し劣ると考えられるコンボも、まだ特別なアプローチが開発されていないだけのこともあり、チェックしておく必要がある。
せっかくなのでもう一つの例を。
《世界喰らいのドラゴン》を《動く死体》で釣るとループが発生する。
土地やマナアーティファクトを巻き込むと無限マナを出せるが、墓地に他のクリーチャーが無いとループを止められず、もう1枚別途勝ち手段が必要なので、このままでは2枚コンボにならない。
しかしEDHなら、別途の勝ち手段を統率者に用意すれば良いのでは?
更に統率者が瞬速を持っていればループを止める必要が無い…?
昔は赤黒の固有色かつ瞬速があって、ループに巻き込むことで勝てる統率者はいなかった。
しかし今はいる。
何だか分かりますか?
《欲深き者、エヴリン》
こうやってマスターピースは発見される。
残念ながら《エヴリン》自体のスペックがイマイチなのでデッキは没としたが、新しいセットが出るたびに統率者の『瞬速の有無』は気にしている。
とにかく沢山のコンボをストックしておくことが大事。
初見殺しは超大事。オタクカードを使え
コレを言うと拘る人に怒られそうだが、デッキの中の最後の数枚はメタや気分次第で流動的なので、正直なところ何でも良い。
カード1枚が違ったところで、それを引かないゲームの方が圧倒的に多い。
一方でこのゲームは初見殺しのアドバンテージが大きく、対戦相手3人を出し抜く超有効な手段。
対戦相手が妨害すべきタイミングに気付けないと、そのまま勝ててしまう。
統率者自体が何をするか分からないというのが理想的だが、それは再現性が高く、すぐにネタバレしてしまう。
そこでデッキ内に少し意味不明なカードを挿す。
頻繁に引くと邪魔になるが、少量ならここぞという時に劇的な力を発揮するかも。
というか、誰も知らない自分だけのカードで勝つなんて最高じゃない?
そして他の環境では入れる余裕がないけれども、EDHでは1枚2枚くらいは何とか枠を作れる。
これは余り語られないEDHの魅力の一つだと思う。
そして、ネタバレしたら別の意味不明なカードを探す。
楽しい作業の繰り返し。
注意点として、身内戦が多いEDHでは身内メタが発生しやすく、マイナーカードとその対策が連鎖していくとガラパゴスしていく。
そして、尖りすぎた構築は一般には弱くなりがち。
オタクカードはほどほどに。
基本骨格を学ぶ
好きなカードを意識しながらリストを眺め、勝ち筋とオタクカードを発掘してもデッキは組めない。
基本的なマナ基盤、ドローやサーチ、妨害を揃えなければゲームにならない。
これについては、似たような既存デッキ、同じ色のデッキの構築をパクるのが早い。
ここで、極端な例を挙げてみる。
自分が組んだ初期型のカジュアルログテヴェと、晴れる屋に載っている神決の上位の完成されたログテヴェを比較してみる。
統率者は同じとは言え、作成された時期が2020年と2023年と異なり、メインコンセプトも全然違うはずだが、この二つのリストで共通するカードは60枚ある(数え間違えてたらすみません)
更に自分のログテヴェと《戦争の世継ぎ、ローアン》のリストを比べてみると、46枚の共通カードがある。
当時無かったが今なら採用するであろう《ラガバン》《ティボルトの計略》《溜め込む親玉》などもあるため、時期が同じであれば一致率は更に上がるはず。
時を超え環境を超えコンセプトが違っても、色さえ合えば半分は共通するカードなのである。
共通点が多そうな土地の中でも意外と差はあるので、スペルの共通点もちゃんと多い。
更に完全一致では無い部分にも、相互互換的なカードもある。
自分の採用しているこのカードの枠は、そっちのデッキだとそれだよね~みたいな。
例えばクリーチャー除去の《四肢切断》と《殺戮の契約》みたいな差。
役割はほぼ同じで、デッキによって最適な方に差し替えているだけ。
土地を《沼》にするか多色土地にするかもデッキによる微調整の差で、土地の枠であることには変わりない。
そのため大まかな全体像を組むイメージとしては
・50%は完全一致
・25%は役割は同じだがデッキによって微妙に変わる枠
・25%はオリジナリティ
くらいの感覚。
マナ基盤、除去、ドローやサーチなど基本骨格を学ぶにはパクるのが近道。
実際に自分が新しいデッキを作る時にも、既存の同色デッキのリストから一部を差し替えて組む。
Moxfieldでは既存のリストを『duplicate』してからカードを入れ替える。
他のデッキで必須カードでも、構造上自分には不要というカードはあるかもしれないが、とりあえずデッキを組む上ではそれっぽいカードは採用して置いて、後で微調整すれば良いのである。
1人回しでまず重視すべきは円滑に動くかどうか
とりあえず100枚の束が出来ると1人回しをした方が良い。
そのまま対戦でも勿論いいが、最初の調整目標は当初予定したゲームプランやコンボがスムーズに決まるかどうか。
回してみると意外と不自由を感じることも多いし、使い方が難しいカードもある。
いくつか考察点を挙げる。
サーチカードで何を持ってくる?
例えば1ターン目の《吸血の教示者》で何を持ってくる?
そもそも1ターン目に使う?
1マナのカードが沢山ある=初動が安定ではない。
《極楽鳥》《エスパーの歩哨》《敏捷なこそ泥、ラガバン》のように、まさに1ターン目に使うべきカードは初動としてカウントできる。
《吸血の教示者》を1ターン目に使って《魔力の墓所》《神秘的負荷》を持ってくることは確かに強い初動と言えるが、一方でデッキの中の特定の1枚を何とかサーチして戦うデッキの場合、ここで《吸血の教示者》を使うことが正解かは疑問。
例えば特定のカード1枚に依存したデッキで、サーチカード13枚を採用すると初手に回ってくる期待値はほぼ1となる。
この場合はサーチカードを重複して引かない限りは無駄に使えない。
別の戦略、例えば統率者の早期キャストが目的であれば、《吸血の教示者》はむしろ《魔力の墓所》とかと同じマナ加速としてカウントするべきだろう。
サーチカードはデッキによって、コンボパーツか加速かドローか、優先的に探したいものは違う。
実際に1人回しをして初手を見ると悩むでしょう。
え、この《吸血の教示者》は何を持ってくるのが正解なんだろう?
良く考えて下さい。
更に構築の中のよくある勘違いは期待値ベースで考えてしまうこと。
先の例の特定のカード1枚とサーチカード13枚の合わせて14枚のカードが初手に回ってくる確率はどうだろう。
99枚デッキだと、初手の7枚の中に1枚以上含まれる確率は66.8%。
期待値はほぼ1だが、3回に1回は引けない。
フリーマリガンを1回使っても89%でしか引けず10回に1回は引けない。
そしてその特定のカードがあればキープでもなく、十分なマナ加速や1ターン目から動く手段も別途必要なので意外とキープ出来ない。
1人回しをすると感じるはず。思ったよりもキーカード引けないな?
別のキープ基準になるカードやサブプランを増やしたり、主なマリガン理由になる土地不足を補うために土地の総量を増やす。
そうこうしていると対戦相手への妨害手段が減りがちになるが、とりあえず最初は自分のコンセプト優先で組んでいく。
勝てる動きが出来なければ話にならない。
EDHはマナカーブが滅茶苦茶
加速手段の強弱にムラがあり、たまたま《魔力の墓所》を引いてすごく展開したり、《宝石の洞窟》で1マナ域をスキップしたかと思えば、1ターン目に1マナ域を展開することもある。
マナ加速は沢山入れるのが常だが、《魔力の墓所》《暗黒の儀式》《極楽鳥》など異なるマナ加速を積むことになるので、実は1-2ターン目の初動のマナの使い方はバリエーションが多い。
必ずしも1マナから展開するわけではなく、他のフォーマットのようにマナカーブを意識しすぎると、例えば《魔力の墓所》《太陽の指輪》《金属モックス》と重ねて引いた“ぶん回り”でマナを持て余してやる事が無くなるが、安定して1マナ域をスキップ出来るほどの枚数がないのも悩む点。
特に無色2マナの使い道は鍵となる。
普通は《魔力の墓所》《太陽の指輪》の2枚は確定採用のため。
色拘束の強いカードと無色1マナしか使えないカードは使い勝手が大分違う。
これを解決するメジャーな方法は、①サーチカードの選択肢を増やし②統率者をマナの使い道として考慮するだが、他にも色々と考えてみて欲しい。
偶発的なシナジーを発見する
ハイランダーデッキでは、想定していた即死コンボの組み合わせ意外に、ちょっとしたシナジーや小技が多数生まれる。
《願い爪のタリスマン》で《波止場の恐喝者》をサーチすると宝物カウントを一つ増やせる。
《死の国からの脱出》の墓地の枚数が足りない時に《悪魔の教示者》かや《ギャンブル》を持ってきてキーカードを探す。
《悪魔の教示者》を唱えて、対応して《ライオンの瞳のダイアモンド》を生け贄。
対戦相手が《当惑する難題》を、自分が《東の樹の木霊》をコントロール時に、クリーチャーを出す→木霊の能力で《ガイアの揺籃の地》を出しマナを生む→《当惑する難題》で《ガイアの揺籃の地》を手札に戻す→クリーチャーを出す→…
といった具合に対戦相手との偶発的なシナジーもある。
一方で偶発的な失敗もある。
《一つの指輪》と《精神力》で無限ドローだが、キーカードがデッキの下の方に埋まっていて、《一つの指輪》をタップすると13枚ドローになるがライブラリーが10枚しかないから詰んだ…
この場合はバウンスで《一つの指輪》を戻して出し直したり、コピーカードでカウンターが沢山載った《一つの指輪》を墓地に送ると引く枚数を調整出来る。
コンボが決まらなければ勝てないので、失敗リスクを下げる汎用カード(上の例ではバウンスやコピーカード)の価値は高いと思う。
妨害されがちな自分の行動を知る
1人回しでスムーズでも実戦で通用するかは別問題。
新デッキは初めのうちは対戦相手も妨害の打ち所がよく分からず、わからん殺しで勝てるゲームも多い。
しかし対戦相手が慣れてきて、的確に妨害を打つようになると話が変わる。
《養育者、マーウィン》のように想定していた戦術が出来ないことの方が多いデッキすらある。
また実戦で結構大事なことは、“暇つぶし”。
今コンボを仕掛けると確実に妨害される、強すぎるカードでも除去されてしまうだろう、何か丁度良い感じの強さで次のターン以降のコンボ成功率を上げるカードない?
これを統率者で体現してくれる代表格が《ティムナ》。
実戦では今は仕掛けない方が良い場面は多く、その時に無難な行動を起こして先の展開で有利にするのか、突っ込むしかなくて返り討ちに合うのか。
多くのプレイヤーが《ティムナ》《クラム》が最強格と言っているため、この無難にリソースを広げることの重要性は明らかだと思う。
まとめ
好きなカードを上手く使えることを意識してカードリストを眺め、統率は弱くても逆にチャンス有りなので最大限に生かせる方法を考えて、マナ基盤や妨害枠は既存のデッキからコピーして、ひたすら1人回しをするとデッキが完成する。
多人数戦では初見殺しが大事なので、オタクカードやマイナー統率者にもメリットがある。
デッキを考える上で大事なコンボのまとめは、細々と作成しているので良ければご覧下さい。
ではまた。
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