《タッサの神託者》は発売以来ずっとEDHでの主力コンボである。
今日はこのコンボの強みから汎用的な対策、応用までを徹底的に解説する。
基本のコンボと長所
《Demonic Consultation》もしくは《汚れた契約》を使い、ライブラリーを0枚にする。
その状態で《タッサの神託者》を出せば勝ちである。
《Demonic Consultation》の今のテキストはこちら。
カード名を1つ選ぶ。あなたのライブラリーのカードを上から6枚追放する。その後、選ばれた名前のカードが公開されるまで、あなたのライブラリーの一番上のカードを公開し続ける。そのカードをあなたの手札に加え、これにより公開された他のすべてのカードを追放する。
MTG wikiより
デッキに含まれないカードを指定するとライブラリーは無くなる。
《汚れた契約》はこちら。
あなたのライブラリーの一番上のカードを追放する。このカードが、これにより追放された他のカードと同じ名前を持たないかぎり、あなたはこのカードを自分の手札に加えてもよい。あなたがカードを手札に加えるか、同じ名前のカードを2枚追放するかするまで、この手順を繰り返す。
MTG wikiより
基本土地も含めて、採用カードを全て1枚ずつにすることで好きなだけライブラリーを消せる。
2色デッキでも普通の基本土地&冠雪の土地を1枚ずつ採用して特殊地形を満載にすることで、条件を満たすことは可能。
参考デッキ。
使用する順番について補足すると、通常は《タッサの神託者》を戦場に出して、誘発型能力がスタックに載ったところで《Demonic Consultation》《汚れた契約》を使う。
この《汚れた契約》を打ち消されてもコンボが失敗で終わるだけだが、一方で先にライブラリーを消して《タッサの神託者》を打ち消されてしまうと後がなくなってしまう。
逆に手札に《セヴィンの再利用》があって《タッサの神託者》を打ち消されても次の仕掛ける選択肢がある場合や、《魂の洞窟》をコッソリ持っている場合は《タッサの神託者》を後で使う場合もある。
不意に《汚れた契約》から使われるとコンボに見えず、ただ単にデッキを掘るだけと思われて通して貰えることも多い。
このコンボは2枚コンボで3-4マナとお手軽な利点に加えて除去が効かない点も大きい。
《タッサの神託者》の能力解決前に除去して信心を減らしても、ライブラリーが0枚ならば信心0でも勝ててしまう。
ちゃんと2枚だけでゲームが終わることも大事。
無限マナ、無限ドローコンボはそこから勝つためのカードのために追加の枠が必要。
《タッサの神託者》は余分な枠をとらない。
対策と対策の対策
《タッサの神託者》コンボへの対策と、コンボを使う側の視点で対策の対策を考える。
打ち消し呪文
除去が効かないため汎用的な対策は打ち消しとなる。
いや、カウンターは基本的にどんなコンボでも妨害できるじゃん、と言われればそうなのだが、《タッサの神託者》を対策するのはそれだけ難しいということ。
《もみ消し》など誘発型能力を消すカードは、さすがに汎用性が低いので、普通の打ち消し呪文で《Demonic Consultation》《汚れた契約》を打ち消した方が良い。
《Demonic Consultation》には《精神的つまづき》が効く点はポイントで、逆に仕掛ける側はマナに余裕があれば《汚れた契約》をサーチすべき。
《忍耐》
緑の強力な対策カード。
《Demonic Consultation》でライブラリーを消した後、《タッサの神託者》の能力を解決する前に使用して対戦相手のライブラリーを増やす。
《忍耐》は想起で0マナで使用でき、クリーチャーなので打ち消されにくい。
EDHの打ち消しは《白鳥の歌》《断れない提案》などクリーチャーを対象に取れないものが多いため。
クリーチャーなので《イーオスのレインジャー長》を起動された後でも使用できる。
緑メインのデッキならよく使われる《召喚士の契約》《適者生存》《呼応した呼集》《召喚の調べ》などでインスタントタイミングで簡単にアクセス出来る。
《タッサの神託者》を使う側からすると相当厄介なカード。
ただし墓地が少なければ対策にならないし、ライブラリーを戻した後にもう1枚《汚れた契約》を使われたり、《思考停止》で削られるとコンボは決まる。
逆に《タッサの神託者》を使う側が《忍耐》を持っている場合は《汚れた契約》などでライブラリーを消す前に墓地を戻しておくと良い。
また《忍耐》を唱えたことに対応して《激しい叱責》を置いても良い。
《タッサの神託者》の能力は既にスタックに乗っているので、こちらには影響せず、《忍耐》の能力が誘発しなくなる。
《有毒の蘇生》+除去
《有毒の蘇生》は墓地回収でありながら0マナで妨害できる汎用カードであり、よく使われる。
ライブラリーが0枚になった後、《有毒の蘇生》で1枚戻し、更に《タッサの神託者》を除去して信心が0になるとコンボを阻止できる。
《タッサの神託者》以外に青いパーマネントをコントロールされていると信心を0に出来ないので妨害できないが、意外と何とかなる場面は多い。
一人で《有毒の蘇生》と除去を持って無くても、複数のプレイヤーで結託して妨害も可能。
強制的にドローさせる
EDHでは置物で誘発型能力を使ったドローソースが多い。
多人数で誘発機会が多いため。
これを逆手に取る。
《Demonic Consultation》でライブラリーを消した後、《タッサの神託者》の能力を解決する前に対戦相手に強制的にドローさせれば敗北させることが出来る。
例えば《タッサの神託者》を仕掛ける人が《エスパーの歩哨》《フェアリーの黒幕》などをコントロールしている場合、誘発条件を満たせば強制的にドローさせられる。
よく使われる《リスティックの研究》《神秘的負荷》は強制ではないので、カードを引かない選択肢が取れる点には注意。
ドローが強制かどうかは非常に重要なので《タッサの神託者》を使う側も使われる側も、すなわち全てのプレイヤーが抑えるべき事項。
上記カード以外だと、
条件を満たすと強制ドロー
《オグマの文書管理人》《幽体のこそ泥》《帳簿裂き》《外交官、マンガラ》《ルーデヴィックの名作、クラム》《原初の潮流、ネザール》《血の取引者、ヴィリス》《概念泥棒》
任意ドロー
《聖別されたスフィンクス》《秘紋のアルマサウルス》《たい肥》《真理の円》
などがある。
勿論、コンボを仕掛けられる側が全員にカードを引かせる効果を使っても良い。
《フェアリーの黒幕》の能力を起動しても良いし、頻度は少ないが《海の中心、御心》《ガイアー岬の療養所》もあり。
《悪意の熟達》でドローさせるのも面白い(呪文の解決時に引かせるので打ち消しなどで対応は可能)。
対戦相手を対象に取れるドローを使っても良いが、実戦級のカードは少なく使用される機会は限定的。
仕掛ける側の工夫として強制ドローの対策で、《汚れた契約》を使う場合にあえてライブラリーを少し残すこともある。
この場合、信心を0にされてしまうと勝てなくなるが、複数の青いパーマネントがある場合は除去1枚では何ともならないので有効である。
相手の勝利を禁止する
《天使の嗜み》を使うと《タッサの神託者》側はどうしようも無くなる。
さすがに対策として使うだけでは後ろ向きすぎるが、《天使の嗜み》+《むかつき》の即死コンボを採用している場合には。
誘発させなくする
《倦怠の宝珠》《静寂をもたらすもの》《門衛のスラル》など《タッサの神託者》の誘発を阻止することでコンボを止められる。
ついでに《波止場の恐喝者》などパワーカードを止められるので置物妨害としては悪くない。
ただし置物妨害カードの宿命で、直前のターンのエンド時にインスタントの除去を受けて、コンボを決められてしまう欠点はある。
呪文を唱える回数を制限
《法の定め》《秘儀の研究室》を置くと連続して呪文を唱える必要があるコンボが決まらなくなる。
しかし直前の対戦相手ターンのエンド時に《汚れた契約》でライブラリーを1枚残し、次の自分のターンで《タッサの神託者》を唱えることで抜け出すことが可能。
また《耳の痛い静寂》では、サーチやドローを制限して減速させられるが、《タッサの神託者》コンボ自体は止められない。
この対策は、コンボ+カウンターが打てなくなることに注目して、誰かが更にカウンターを構えることで完全な対策となる。
まあ、それをやるとどんなコンボデッキも勝てないけど。
ただしゲームをグダらせることは出来ても、結局、置物妨害の宿命から逃れられず、《天上都市、大田原》という対処困難な脱獄手段があるので、何らかロックデッキを組むのでなければ対策とは言い難い。
青黒以外での《タッサの神託者》使用例
正直なところ黒無しではあまり強くないのだが、選択肢を挙げる。
青単でコンボ
青単でも《地ならし屋》《Phyrexian Devourer》《パラダイム・シフト》《Thought Lash》などでライブラリーを0枚に出来るが、重かったり使いにくいものばかり。
また《無限への突入》でライブラリーを引き切った後に使っても勝てる。
この場合、ライブラリーを全部使えるので必ずしも《タッサの神託者》である必要は無い。
白いデモコン?
ライブラリーの中に白いカードが1枚も含まれていない場合、《聖なるガイド》はライブラリーを全て追放する。
《聖なるガイド》以外の白いカードを一切使わないのに、ダブルシンボル要求が辛い。
クリーチャーサーチだけで完結するので白青緑ならあり?
ライブラリーを全て墓地に送る
ライブラリーを全て墓地に送るコンボでも使える。
《隠遁ドルイド》、《セファリッドの幻術師》+《コーの遊牧民》、《玄武岩のモノリス》+《催眠の宝珠》などで自分のライブラリーを全て墓地に送る。
黒なら《戦慄の復活》、白なら《セヴィンの再利用》で墓地から《タッサの神託者》を戻して勝ち。
青赤では、《死の国からの脱出》+《ライオンの瞳のダイアモンド》+《思考停止》で自分のライブラリーを全て墓地に送って、《タッサの神託者》を脱出させても良い。
《死の国からの脱出》+《研磨基地》+0マナアーティファクトでもデッキを掘りきることは可能。
自分が《タッサの神託者》を採用していない場合でも
《法務官の掌握》で相手から奪って勝つ選択肢も考えられる。
《死の国からの脱出》コンボで《法務官の掌握》を何度も使い回して相手のデッキからコンボを揃えても良いし、奪うつもりで自分のデッキに《Demonic Consultation》や《汚れた契約》を入れておくことも考えられる。
どちらもドロー&サーチカードとして悪くはない性能なので、追放していくデメリットを許容できるくらい勝ち手段が多く採用されたデッキならば有り得る。
《タッサの神託者》コンボの応用
《汚れた契約》を2回使う
1回目の《汚れた契約》で《タッサの神託者》を手に入れ、墓地から《汚れた契約》を回収して2回目の使用でライブラリーを消す。
この場合、《汚れた契約》と墓地回収カードの2枚コンボであり、コンボの選択肢が広がる。
《Demonic Consultation》でも出来るが、最初の6枚の追放で《タッサの神託者》が無くなると勝てなくなるので、大体7%前後で失敗する。
チャンスに勝ちに行くためには十分な成功率なのでやるけど。
よく使われる墓地回収としては、《有毒の蘇生》《神秘の聖域》《瞬唱の魔道士》《永遠の証人》《死の国からの脱出》《ヨーグモスの意志》など。
一気に使うとマナが重いので、相手のエンド時に《汚れた契約》を使って分割払いにすると仕掛けやすい。
勿論、《汚れた契約》と《Demonic Consultation》の両方を持っている場合でも成立。
コピー生物で再トライ
《タッサの神託者》を戦場に出して、《汚れた契約》を唱えたところで打ち消された場合を考える。
デッキ内に残る《Demonic Consultation》と、《幻影の像》などコピー生物で再度仕掛けることが出来る。
コピー生物がいないと、《タッサの神託者》をバウンスして再利用しないといけないのでマナが重くなる。
《幻影の像》は汎用性が高いカードなので合わせて投入しておきたい。
インスタントタイミングで勝利
《出現領域》《風に運ばれて》を使えば大抵のコンボはインスタントで決められるが、《タッサの神託者》の場合は《召喚の調べ》からサーチしつつインスタントウィンが可能。
《汚れた契約》《Demonic Consultation》ともにインスタントなので決まる。
インスタントタイミングで仕掛けるメリットは、相手のコンボ、その後の妨害合戦を見てから被せて仕掛けることで成功率が上がること。
《召喚の調べ》は召集のおかげで奇襲性が高い。
インスタントタイミングで《タッサの神託者》を戦場に出せれば良いのでマナは重いが《ザルファーの魔道士、テフェリー》から仕掛けても可能。
《新生化》《異界の進化》
《タッサの神託者》を直接場に出せるが、《呪文探求者》を採用することで《Demonic Consultation》《汚れた契約》も手に入れる選択肢も生まれる。
緑を足す場合には《呪文探求者》も是非。
《微小術師》でも《Demonic Consultation》をサーチ出来るが、使われているところは見たことがない。
ちなみに《破滅の終焉》も含めて、2マナの生物を戦場に出せるカードは少し警戒した方が良い。
《タッサの神託者》が出て《汚れた契約》を使われてからカウンターすれば良いと考えているところに、既に《タッサの神託者》は手札にあって《堂々たる撤廃者》が着地してしまう恐れもある。
こうなると妨害出来なくなる。
※《イコリアへの侵攻》は人間をサーチ出来ないので《堂々たる撤廃者》は出てこない。
《新生化》で3マナのクリーチャーを持ってこられる場合、《イーオスのレインジャー長》が出てくる場合もある。
これらのサーチカードを使われた場合は、相手の残りマナにも注目する。
《直観》1枚で勝つ
《タッサの神託者》《呪文探求者》《セヴィンの再利用》を3枚を見せると、どれが手札に入ってもコンボを決められる。
ウィザード・サイクリング
《タッサの神託者》も《呪文探究者》もウィザード。
《最後の審判》+1ドロー
《最後の審判》+1ドローで始動するパイルにも使える。
例えば、
《噴出》
《ライオンの瞳のダイアモンド》
《ギタクシア派の調査》
《タッサの神託者》
任意のカード
と積むと浮きマナ無しから勝てる(島が2枚必要)。
《噴出》を代替コストで唱え、カードを2枚引いて《ライオンの瞳のダイアモンド》を唱える。
《ギタクシア派の調査》を唱えて解決前に《ライオンの瞳のダイアモンド》を生け贄にして青3マナを生む。
引いてきた《タッサの神託者》を唱えて勝ち。
ライブラリーが1枚残るので除去(信心減らし)に弱くなるが、《通りの悪霊》を挟めばライブラリー0枚で仕掛けられる。
《変幻の大男》
《閃光》が禁止となった今では使われる頻度は激減したが、何かの拍子に使われる可能性もあるので紹介。
まず《変幻の大男》を戦場から墓地に送る。
《タッサの神託者》
《呪文探求者》
《ブラッド・ペット》
の3枚を持ってきて、《タッサの神託者》→《呪文探求者》の能力とスタックに積む。
《呪文探求者》から《Demonic Consultation》を持ってきて、《ブラッド・ペット》のマナから唱えて勝ち。
《変幻の大男》を墓地に送ってから浮きマナ無しで決められる。
このコンボには更なる応用もあって、最初に黒1マナ浮いた状態ならば
《臓物の予見者》
《堂々たる撤廃者》
《呪文探求者》
を持ってきて《呪文探求者》から《再活性》をサーチ。
《変幻の大男》をリアニメイトして《臓物の予見者》で生け贄にし、
《タッサの神託者》
《幻影の像》
《ブラッド・ペット》
を持ってきて《幻影の像》で《呪文探求者》をコピーして以下略。
《堂々たる撤廃者》を挟むので《変幻の大男》の能力を解決したら最後。
《忍耐》などで妨害されなくなる。
ライブラリーの一番下に《タッサの神託者》
これは狙って積極的にやることではないが、偶発的に狙える場面が稀にあるので小技として。
ライブラリーの一番下に《タッサの神託者》がある状態なら、《Demonic Consultation》か《汚れた契約》を使うだけでライブラリー0枚かつ《タッサの神託者》の入手が可能。
具体的に使うシーンとしては、例えば《トリトンの英雄、トラシオス》の占術で《タッサの神託者》が見えた場合。
これを公開して引くと、コンボが決まりそうに見えて警戒されてしまう。
特に公開情報で《汚れた契約》を持っていることがバレていると集中砲火の恐れがある。
そこであえて《タッサの神託者》をライブラリーの底に送り、コンボが揃ってないフリをする。
ただの占術だったら引いた方が確実だが、《トラシオス》のように占術して公開する場合はヘイトコントロールのために稀に行う。
出来そうで出来ないこと
《二重視》
相手の《タッサの神託者》コンボに対して《二重視》を両モードで使うと、《タッサの神託者》のコピー生成と《Demonic Consultation》のコピーで勝つことが出来そうに見える。
しかし、これでは勝つことは出来ない。
《二重視》のテキストの上から処理すると、まず《Demonic Consultation》のコピーをスタックに乗せる。
次に《タッサの神託者》のコピーを生成する。
《Demonic Consultation》の解決前に《タッサの神託者》コピーの能力がスタックに乗る。
解決するのは《タッサの神託者》の能力からである。
まとめ
EDHでよく使われるコンボの《タッサの神託者》についての解説でした。
自分で使わなくても対処法を知ることは大事。
参考になれば幸いです。
ではまた。
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