ずっと使っている緑単。
主な活動をこちらのブログに移してからは記事を書いていないので、改めて書くことに。
デッキリスト
土地30枚
《冠雪の森》 19枚
《ギャレンブリグ城》
《成長の揺り籠、ヤヴィマヤ》
《耐え抜くもの、母聖樹》
《古の墳墓》
《さびれた寺院》
《宝石の洞窟》
《ガイアの揺籃の地》
《ニクスの祭殿、ニクソス》
《出現領域》
《作戦室》
《ロノムの口》
クリーチャー
《ワイアウッドの呼び手、ギランラ》
《東の樹の木霊》
《極楽鳥》
《ラノワールのエルフ》
《エルフの神秘家》
《フィンドホーンのエルフ》
《東屋のエルフ》
《喜ぶハーフリング》
《ジョラーガの樹語り》
《クウィリーオン・レインジャー》
《ワイアウッドの共生虫》
《アロサウルス飼い》
《ティタニアの僧侶》
《エルフの幻想家》
《溜め込み屋のアウフ》
《刻み角》
《復活した精霊信者、ニッサ》
《ラノワールの幻想家》
《気前の良い贔屓筋》
《再利用の賢者》
《ウッド・エルフ》
《激情の共感者》
《忍耐》
《永遠の証人》
《鋭い目、ナイレア》
《アンダーマウンテンの冒険者》
《数多の声》
《茶色のラダガスト》
《野生の魂、アシャヤ》
《ヴォリンクレックス》
《巨大猿、コグラ》
《進歩の災い》
《ムラーサの緑守り》
《森林の怒声吠え》
《威厳の魔力》
《孔蹄ビヒモス》
《頂点のアルティサウルス》
《頂点壊滅獣》
《森呼び自動機械》
《歩行バリスタ》
クリーチャー以外の呪文
《イコリアへの侵攻》
《野生語りのガラク》
《原初の狩人、ガラク》
《世界を揺るがす者、ニッサ》
《ニッサの勝利》
《異界の進化》
《自然の秩序》
《調和》
《リシュカーの巧技》
《エント最後の進軍》
《緑の太陽の頂点》
《破滅の終焉》
《ナイレアの介入》
《起源の波》
《召喚士の契約》
《俗世の教示者》
《輪作》
《内にいる獣》
《呼応した呼集》
《召喚の調べ》
《繁茂》
《楽園の拡散》
《花の絨毯》
《ケンリスの変身》
《大地の知識》
《適者生存》
《森の知恵》
《魔力の墓所》
《太陽の指輪》
《Candelabra of Tawnos》
※Moxfieldは随時変更中のため上記リストと異なる可能性あり。
コンセプト
緑単を使う上での心構えとして、序盤は自分が妨害の的にならないように危険度の低いカードを使い、対戦相手のコンボは別の対戦相手に止めて貰うことを期待する。
どんなに頑張っても黒赤よりもスピードは遅く、青ほど妨害が得意ではないため。
その裏でマナ加速とドローを進め、中盤以降に高コストのパワーカードを連打して圧倒する。
詳細は以前まとめたこちら。
1枚ずつパワーカードを使っても対戦相手の三人を押し切る爆発力が足りないので、このデッキでは《東の樹の木霊》を使った踏み倒しや、《ガイアの揺籃の地》《威厳の魔力》を駆使してチェインコンボのように動くことで後半押し切るのが狙い。
《ギランラ》の価値
《ワイアウッドの呼び声、ギランラ》は絶妙な弱さが強い。
5-6マナのパワーカードを使うには初手だけではリソース不足で微妙に届かないことも多いが、統率者領域からマナ加速を一つ追加することで、安定させることが可能。
手札外から唱えるのでアド+1、マナ加速+1なので実質的に《木霊の手の内》《耕作》くらいのスペック。
ランプ戦術に向いてるカードだと思わない?
誘発型能力の地味なドローも強くて、ゲームを通して3-4枚引いていることも多く息切れ防止になる。
《東の樹の木霊》の真の強さ
土地を並べられる点が強い。
緑では勝つためには《威厳の魔力》《リシュカーの巧技》で大量ドローを狙うが、同時に沢山の土地を引いてしまい、しかも通常は土地は1ターンに1枚ずつしか使えないため、カードを沢山引くと一定の割合で無駄なカードが含まれることになる。
緑単に限らないが、大量ドローを狙う動きは、スペルだけでなく土地も沢山引いてしまうので、思った以上に連鎖しにくいというか、意外と手詰まりになることが気になる。
持て余す土地を生かせると潜在的なディスアドを減らせる。
ここで《踏査》のような追加セットランドを置いたところで、ドローを連鎖させていくと焼け石に水だし、初手のリソースが少ない段階で追加セットランドは弱い。
一番嫌なのが土地セット権を全部使った後に《ガイアの揺籃の地》を引いてしまった場合。
《東の樹の木霊》はこの問題を解決する。
デッキにたくさん入っている《極楽鳥》などのマナクリを使って際限なく土地を置くことが出来るので、《ガイアの揺籃の地》はいつ引いてもOK。
土地を置いていくことでマナが復活するので更にチェインすることが可能で、その後もドローをどんなに連鎖させても土地はどれだけでも出せる。
これを統率者領域に置けるのは、本当に心強い。
また土地が並ぶことで緑単が苦手なリセット後の復帰がしやすく、長期戦にも強くなる。
リセット耐性も、クリーチャーを並べる以上は大きな要素。
他にも《クウィリーオン・レインジャー》の能力も気兼ねなく使える利点がある。
《ギランラ》のマナは使った分だけドロー出来るので、《クウィリーオン・レインジャー》でアンタップして6マナ以上呪文を唱えて2ドローは定番の小技。
《クウィリーオン・レインジャー》はターン一回の制限だが、相手のターンにも使うと更に森が戻る。
ちなみに相手のターンに使う主な目的は無警戒の《ティムナ》アタックに対して、自他問わずクリーチャーを起こしてブロックが狙い。
《東の樹の木霊》なら次のターンに全部並べられる。
もちろん《東の樹の木霊》はクリーチャーを沢山並べることにも貢献する。
とはいえ長いこと使っていて大事な点は、やっぱり土地だと思う。
マナを復活させる手段
よくある過去の緑単では複数マナが出るマナクリ、例えば《セルヴァラ》《マーウィン》を何度もアンタップすることでチェインを狙う。
このデッキにも《ティタニアの僧侶》はあるが、欠点は召喚酔い。
仕掛けるためにタイムラグがあると、せっかく大量ドローが決まっても攻めきれないし、攻めるタイミングがバレバレなので妨害を合わせやすい。
しかしこのデッキは《東の樹の木霊》を経由するとアンタップ状態で《森》が次々と出るのでマナが残りやすく、運良く《ガイアの揺籃の地》《ニクスの祭殿、ニクソス》に繋がれば更にマナが爆発する。
《森呼び自動機械》《野生語りのガラク》《世界を揺るがす者、ニッサ》《Candelabra of Tawnos》など土地アンタップカードも厚めに採用。
《森》のマナを《世界を揺るがす者、ニッサ》《繁茂》《楽園の拡散》で増やして《大地の知識》《Candelabra of Tawnos》も良い感じ。
緑はクリーチャー以外のサーチが不得意なので、これらのマナを増やす手段は再現性に難があるが、召喚酔いに影響されない即効性は何よりも利点になる。
勝ち手段
勝利のうち半分くらいのゲームはビートダウン。
《孔蹄ビヒモス》で対戦相手3人をワンパンだけでなく、とりあえず危険度の高い一人二人倒して、残った人も順次倒す事も良くある。
サイズの大きい生物や《アロサウルス飼い》で1人ずつ削っていくことも多い。
調子よくチェインした時の無限コンボもあって、一番よく使うのが《覚醒根の精霊》。
《ガイアの揺籃の地》+クリーチャー5体
《ニクスの祭殿、ニクソス》+緑信心8
で無限マナ。
《ガイアの揺籃の地》は《覚醒根の精霊》でクリーチャー化するので、開始時にクリーチャー5体なら、6体になって無限マナになる。
無限マナからは《鋭い目、ナイレア》でデッキを掘り尽くして、《歩行バリスタ》や《永遠の証人》で《破滅の終焉》を拾ってビートダウン。
《覚醒根の精霊》の良いところは、無限マナの使い道を引けて無くても、土地を5/5にして殴り倒せること。
一応、《野生の魂、アシャヤ》+《クウィリーオン・レインジャー》のコンボもあるが、これだけでは無限に出し入れするだけ。
森になったクリーチャーに《繁茂》《楽園の拡散》を付けたり、《大地の知識》《ジョラーガの樹語り》《復活した精霊信者、ニッサ》を組み合わせて無限マナにして、更に無限マナの使い道にアクセスする必要がある。
このコンボ自体は滅多に決まらないのだが、《アシャヤ》は負け筋の一つの《サイクロンの裂け目》に耐性をつけられるし、《クウィリーオン・レインジャー》は《ギランラ》と相性が良いし、それぞれ単品で活躍できるので投入している。
個別のカード解説
《進歩の災い》
緑の超重要クリーチャー。
アーティファクトを使うデッキにトドメを刺し、邪魔な《リスティックの研究》を一掃する。
基本的には中盤にこのカードを探すことが多い。
確かに早いコンボデッキはアーティファクト主体なので《溜め込み屋のアウフ》で減速させられるが、エンド時の除去から一気に動かれることを防げない。
そのためアーティファクトは一掃して、大きくなった《進歩の災い》で殴って倒す。
サイズが大きいと《原初の狩人、ガラク》《リシュカーの巧技》《エント最後の進軍》にも貢献。
《アロサウルス飼い》
色んな角度から場に出せる対カウンターであり、勝ち筋にビートダウンがあるのでエルフを5/5にする能力もよく使う。
《東の樹の木霊》の能力で出すことで《精神壊しの罠》を回避したり、相手のカウンターに合わせて《召喚の調べ》で出す小技もある。
《頂点のアルティサウルス》
基本的には《自然の秩序》から場に出す。
《ティムナ》系のデッキはこのカードで全滅させられる。
《進歩の災い》と合わせて相手の盤面を破壊しつくすのは勝ちパターンの一つ。
激昂が誘発してしまうのでブロック困難で、クロックも馬鹿にならない。
手札に来てしまうとさすがにちょっと重いことと、《幻影の像》にコピーされると危ない点が難点。
とはいえ、使い捨てになるように格闘し続ければ、コピーされるリスクは無くなる。
《鋭い目、ナイレア》
無限マナの注ぎ口。
《薄暮見の徴募兵》の方が《森林の怒声吠え》でサーチできる分だけ多少受けが広いが、《ナイレア》のコスト軽減と破壊不能、顕現したときのパワーの方が役立つ。
《歩行バリスタ》は《緑の太陽の頂点》《召喚の調べ》から出せないし、《溜め込み屋のアウフ》で止まっていることもある。
《ナイレア》ならデッキを全部掘って《永遠の証人》で《破滅の終焉》回収、巨大なXで勝ちというプランも取れる。
じゃあ、《歩行バリスタ》いらないじゃん、と言われそうだが緑単では貴重なクリーチャー除去で、マナフラッド時に盤面制圧してくれるので《歩行バリスタ》自体も有用ではある。
《気前の良い贔屓筋》
4マナ前後のドローカードは土地を伸ばし、高コストカードへの繋ぎとして重要。
《数多の声》《アンダーマウンテンの冒険者》《ヴォリンクレックス》《調和》なども該当。
《ナイレアの介入》X=2くらいもよく使うし、《ニッサの勝利》は《森》2枚をサーチするつもりで使っている(勿論運良くニッサと揃うことも期待しているが)。
このデッキは土地が30枚なので、4ターン目(カードを11枚引いたところ)で、土地を4枚以上引ける確率は45%しかない(マリガンもあるので実際にはもう少し上)。
そのため普通にプレイすると4枚目の土地は置けないかもしれない。
一方で1ターン目マナクリ、2ターン目《ギランラ》と来た場合に、3ターン目には基本的にはパワーカードの多い6マナに到達できず、何か唱えて備える必要がある。
そもそも3ターン目に3枚目の土地を引けない確率も36%ほどあるので、ここで中コスト帯のドローカードが生きる。
一方で順調に土地を引いて《魔力の墓所》などの追加の加速を挟んで、3ターン目に重いカードを唱えられることもあるだろう。
その場合はドローカードは持て余す可能性もありそうだが、実際の所パーマネントならば《東の樹の木霊》でドンドン出せてチェインコンボのように繋がるので全然問題なし。
《茶色のラダガスト》
少し前に期待値など計算した記事がこちら。
《東の樹の木霊》でポンポン生物を出していくと、次々と誘発するので実際に引いてる量はかなりヤバイ。
序盤に使うと土地が手に入らなくてモヤモヤするけど、後半の爆発力を考えたら許容できる。
というか緑単では後半相手3人を押し切るためには如何に爆発力を確保するかが大事で、《茶色のラダガスト》はかなり良い感じなんだよね。
《森呼び自動機械》
《ガイアの揺籃の地》《ニクスの祭殿、ニクソス》をアンタップ出来るクリーチャー。
クリーチャー化させるので以降は《クウィリーオン・レインジャー》《ワイアウッドの共生虫》でアンタップ可能になる。
このデッキのチェインコンボは《ガイアの揺籃の地》にかなり依存しているので、即効性があって(召喚酔いが無くて)、サーチしやすい生物のアンタップ手段としてこのカードに辿り着いた。
《忍耐》
このデッキで数少ないインスタントの妨害カードだが妨害できるコンボの対象範囲が広く、クリーチャーのため《狼狽の嵐》《白鳥の歌》で応戦されない。
《タッサの神託者》も《死の国からの脱出》も妨害できるし、《溜め込む親玉》コンボも通常はリアニメイトから入るので妨害可能。
大量ドローをして勝ち切れない場合に、全くノーガードではチャンスをモノに出来ないので、とりあえずサーチカードで手に入れておきたい。
《適者生存》が置いてあれば安心。
入っていないカード
《活性の力》
序盤に相手を妨害する余裕はない。
このカード自体は直接的に《むかつき》《タッサの神託者》を止められず、先に使って相手のマナベースを破壊する=別の対戦相手が仕掛けられたコンボに使うはずだったカウンターを温存できてしまう、という不利な展開になってしまう。
逆に《内にいる獣》は何で採用なのか、となるのだが、実は土地を割りたいため。
手札がパンパンになってゲームの最後の最後に越えられない壁となる青を叩くために、《内にいる獣》を序盤に引いたら青マナ源を破壊する。
良く出来た青いデッキは、一つくらいマナベースを破壊しても軽量カウンターやピッチスペルで他のプレイヤーの即死コンボをそれなりに止めてくれる。
アーティファクト対策はサーチしやすいクリーチャーに委ねた方がシナジーが多いし確実。
《宝石の睡蓮》
このデッキは統率者を出して終わりでは無く、そこから更に高コストのカードを使い続ける必要があるので、使い捨てかつ統率者限定は使いにくい。
《東の樹の木霊》は早く出し過ぎると除去の的になるし、このカードを経由して出すと再キャストも手札の6マナ呪文を使うことも困難になってしまう。
他の色を足す可能性
共闘統率者を使うと、何となく他の色を足さないと勿体ない気がする。
実際に過去に青や赤を足したことはある。
《アレイナ》《逆嶋》《クラム》《トラシオス》など。
《リスティックの研究》使いたいし、コピー生物は緑のファッティと相性良いし、序盤に確実に出てくる《ギランラ》は《激情の貢献》《偏向はたき》と相性がいいし。
しかし、この構築はすぐにイマイチと判明した。
先に述べたとおり、マナ加速してファッティを出すコンセプトは、序盤に器用に相手を妨害する事と両立できない。
《激情の貢献》を握る分だけ展開が遅れ、序盤の攻防に参加することでリソースも削られる。
《リスティックの研究》は誰にとっても邪魔なので、これを置くとカウンターや除去のやり取りに参戦することになるし、インスタントの妨害が充実していないと対戦相手のターンにカードを引く価値が低くなる。
この方向性を突き詰めると、小刻みにドローしてインスタントの妨害を器用に打ち分けつつ、隙を見てコンボを仕掛ける青を中心とした構造になる。
《リスティックの研究》を置いて、自分の《進歩の災い》で破壊するのもなあ。
多色化は、それはそれで別のデッキの可能性があるだろうが、マナ加速してファッティを並べたいなら《ギランラ》《東の樹の木霊》が最適だと思う。
この2枚は緑のランプ戦術とめちゃくちゃ相性が良いから。
まとめ
緑単は、一見するとEDHの戦いについて行けなさそうだが、対戦相手の高速コンボを別の対戦相手が止めてもらえるよう工夫して準備を整え、中盤以降はカウンターしにくいクリーチャーで攻めることで青から対策されにくくする、といった感じでEDH特有のゲーム性を意識した構築で生き残っている。
何よりも楽しい。
青や黒のコンボデッキと被るパーツがほとんど無いので、サブデッキに持つのもオススメ。
ではまた。
コメント