EDHで負ける時

勝つためには負けないことも大事。

負ける要素は、知識不足、練習不足、運が悪いの3つの要素が重要だが、もう少し掘り下げて見てみる。

敗因は主に4つあると思う。

①対戦相手のデッキの止め所が分からなかった(初見殺し含む)
②特定の相手に妨害を使いすぎて、別の相手が勝ってしまった(自分が下手)
③必要以上に対戦相手に妨害された
④運が悪い(手番、手札事故、相手の鬼回りetc)

運が悪いこととは仕方ないとして、例えば③は相手の行動は制御できないから広い意味で運が悪いとも言える。じゃあ、仕方ない……?

逆に相手を“負けさせる”には、相手にこちらの手の内を知られず、別のプレイヤーに妨害が向くように仕向ければ良い。

めちゃくちゃ練習しているなら、相手と同じデッキを使い、練度の差で打ち負かすことも出来るだろう。

逆に仕事や家庭やその他の事情でEDHに注力できないなら。

すなわちメジャーデッキをコピーして完璧に使いこなせない場合は、デッキパワーを最大限に発揮できないばかりか、避雷針になりやすいデメリットが上回って別のプレイヤーの勝つチャンスが高まるだろう。

EDHで必要な知識は膨大

ハイランダーで選択肢が多いため自分のデッキの1人回しすら大変。

《死の国からの脱出》というメジャーな勝ち手段一つを取っても、様々なルートの入り方がある。

難しいカードの筆頭

更に当然だが、自分だけで無く相手のデッキの動きが分からないと負ける。

しかし統率者固有の動きが沢山あり、特定の統率者にしか採用されないカードもあるため、必要な基礎知識は他のフォーマットよりも多い。

例えば神決9回の記事を見ると、約半数のデッキが使用者2人以下の統率者。

メジャーデッキとよく似た動きをするものもあろうが、マイナーデッキ3人に囲まれることは普通のことと思った方が良い。

勝つためにはティムクラ、ナドゥ、ログラクフばかり見ていてはダメ。

このマイナーな構築まで含めて、動きを理解していなければならない。

・《欲深き者、エヴリン》から《納墓》+《ネクロマンシー》で《世界喰らいのドラゴン》を釣られてインスタントウィンを決められた

・《ウェザーライトの艦長、シッセイ》の起動型能力を通したら《時を解す者、テフェリー》が出てきて妨害を差し込めなくなった

・《放浪の吟遊詩人、イーサーン》を除去しようとしたら《森を護る者》をサーチされ除去できずに負けた

こんな初見殺しのうち、どれかは遭遇してしまうだろう。

メジャーなデッキでも

・《破天荒、ステラ・リー》に何気なく除去を使ったら、カウンターをスタックに2枚積まれた上で《たなびく紺碧》を使われてコンボが決まってしまった

みたいな地雷もあったり、統率者固有の動き以外でも、

・《異界の進化》を通したら《堂々たる撤廃者》を持ってこられて妨害を使えなくなった

といった罠もある。

これらは一人のプレイヤーの単独の動きなので比較的シンプルな例だが、実践では別のプレイヤーとの偶発的なシナジーで訳の分からない事故が発生する。

一度遭遇したことがある状況なら予測出来るかもしれないが、考えるだけでは全ての対応は無理。

知識が大事。

妨害の打ち所

これまた難題である。

ゲームが終わる最後の1枚を止めるのは簡単だが、『このデッキの場合はここで止めた方が良い』1枚は難しい。

コンボパーツだけでなく、指数関数的にリソースを増やしてしまうか?が鍵だと思う。

イメージはこんな感じ。

線型にリソースが増える例は《ファイレクシアの闘技場》

毎ターン1枚が保証されているが、どんなに展開しても『1枚』しかない。

《織り手のティムナ》もアタッカーの用意次第だが、比較的《ファイレクシアの闘技場》に近い。

序盤は安定感に助けられるが、後半は物足りなくなってくる。

指数関数的に増える例は《一つの指輪》。

統率者戦(EDH)の一つの指輪。指輪物語。

ターンが経過すると手札の増える量が爆増する。

あ?指数じゃ無くない?と言ってはいけない。イメージである。

《神秘的負荷》《リスティックの研究》も似たようなもの。

置いた直後は警戒されてさほど引けないかも知れないが、いずれ対戦相手の誰かが音を上げてカードを沢山引かせてもらえるだろう。

終局でカウンターの打ち合いになると5-6枚引くこともザラにある(EDHでは終局が2ターン目ということも良くあるので置いた直後に成果を得られることもある)。

《ルーデヴィックの名作、クラム》もゲームが進むと実は1周の間に2-3枚引いていることもあって、しかも目立たずヒッソリ引いててタチが悪い。

ゲームに勝つためには相手を出し抜く必要があるので、状況次第で沢山リソースを増やせるカードは鍵になる。

一人だけ黙々と増やしていたら危ない。

大量のカウンターと共に1:3でも押し切られてしまう。

逆に自分が採用するカードも、指数関数的な拡大を意識する。

このグラフは緑単の戦い方の考察で使ったものの流用である。

手札だけで無くマナも指数関数的に増やしたいが、緑だと《ガイアの揺籃の地》が該当。

ちなみに青黒だと沢山引いてMOXや《太陽の指輪》を並べれば良いので、とにかくカードを引けばよい。

対戦相手に不必要な妨害を使わないためには?

余計なことをして別の相手が勝つことは敗因の1つである。

デッキの動きを知らなくて無警戒だったら『お勉強しといてよ』になる。

ちなみに、ずとまよ好きです。

知識不足とは別で、プレイングで出過ぎた真似をしがちな場面を考えてみる。

対戦相手2人がリソースを増やすカードを置いている場合

片方だけ割ると残った一人を勝たせてしまう。

自分が出し抜けないなら、対戦相手同士を拮抗させて妨害し合ってもらいたい。

対戦相手の1人が独走中に別の相手から《一つの指輪》が出た

《一つの指輪》ヤバい!で即対処ではなく、1番圧倒的な立場の人に妨害を使って貰うために少しは引かせる。

自分が抜きん出るためには、必ずしも自分が展開する必要は無くて、対戦相手Aに対戦相手Bを引きずり下ろして貰ってもよい。

少し泳がせるテクニックを習得していないと『余計な妨害をされたから、アイツが勝ってしまった』という非難を受けるかもしれないし、実際に自分の勝利も遠のいているかもしれない。

ただ難しいのは、しばしば独走状態に気付けないこと。

これは後述する。

『必要以上に対戦相手に妨害された』は仕方の無いこと?

半分正解、半分間違っていると思う。

自分が手札に来たパワーカードを次々と叩きつけて独走状態となれば、対戦相手3人から妨害が集中するのは当たり前である。

そのまま押し切れる見込みがあるから、やれば良い。

1ターン目に《魔力の墓所》から《リスティックの研究》、2ターン目に《神秘的負荷》を置けるならドンドン進め。

逆に狙われるけど、勝ち切るのも難しそうな場合、少し手札に隠しておくことも大事。

独走状態のプレイヤーに妨害が集まるなら、他人に独走させて、自分はそのプレイヤーより少し劣った状態に留まる。

妨害を自分に撃たれにくくなるだけでなく、トップのプレイヤーを止めるために「これは通して欲しい」など交渉の余地も生まれる。

残念ながら柔軟に動く余地が無い手札もあるが、展開を調節できるなら『控える』ことも時に有効。

実はティムクラの強さの最大の理由とも思っている。

2枚の統率者のうち、1枚だけ置くか、2枚とも置くかでリソース獲得手段を調整できる。

自分が独走するのか、相手にトップを取らせるのか、拮抗していくのかを統率者の使い方だけで合わせられる。

更に《ティムナ》は《ファイレクシアの闘技場》みたいな性能なので優先的な除去対象ではないし、《クラム》は結構たくさん引いていても意識されないことが多い。

《クラム》が引くときは、誰かが大量展開していたり、カウンター合戦をする時で、その時はどうしても派手な方に目が行く。

神決で連勝するティムクラを見て思うが、単純なプレイヤーの練度だけでなく、展開の柔軟性と、妨害が向きにくい心理的な優位性もかなりあると思う。

逆に《トラシオス》《ティムナ》の弱さは両方とも《ファイレクシアの闘技場》であること。

爆発する場面が無い。

それを克服するために、自分は1マナ飛行アタッカーを沢山積んで《ティムナ》で爆走を狙ってみたが、《オークの弓使い》登場後は行き詰まっている。

《訓練場》《種子生まれの詩神》はヒッソリと引く選択肢がなくて、必ず1:3になるからなあ。

目立つ、心情的に狙われやすい、というのは自分の立場からは採用を避ける以外にはどうしようも無い。

ちなみに『必要以上に対戦相手に妨害された』というのは《ナドゥ》の勝ち切れない限界になると思う。

悪目立ちする。

まあ複数《ナドゥ》が向き合うと、どれかが勝つだろうけど。

《ログラクフ》は目立っても2KILLで誤魔化せるが、『手番が悪い』という避けようが無い負け筋はキツいかも。

実は運が悪い、その中でも手番が悪いというのは、選択したデッキによって重みが違う。

柔軟に動けるデッキの方が、手番格差の影響を受けにくいと思っている。

まとめ

『仕方ない』と思えることも、実は一部は対策可能だったりする。

まだ誰もしてない工夫があったり、既に誰かが辿り着いていても公開していない情報もあるだろう。

とりあえず最低限の知識が無いと話にならないということで、無限コンボの解説ページを作った(というか作成中)。

しかし即死コンボでは無いが重要な局面を考察しきることは難しい。

思い付いたものを地道に書き殴っていくけど。

ではまた。

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