発売直後は忙しくて遊べず今更クリアしたのだけど、名作でした。
サブイベントもなるべく埋めてエンディングまで80時間以上。
ボリュームも凄いけど、途中ダレることもなく最後まで楽しめた。
そんなユニコーンオーバーロードの魅力について紹介します。
システム
SRPGはゲームによってシステムがかなり違う。
ユニコーンオーバーロードは数人で編成されたユニットを動かして、ユニット毎に戦闘をさせる。
ステージでの移動はリアルタイムで、歩兵や騎馬で移動速度が異なり、飛行タイプはスタミナが低いので連続して戦闘できないけど川や山を越えられるなど、そこにも戦略が生まれる。
戦闘自体はオートだが、適当にスキルを打ち合うのではなく、予め細かく設定した作戦に沿って行う。
戦闘毎に行動できる回数が決まっているので、HPの回復基準を100%未満にするのか75%以下にするのか、敵への攻撃基準を複数居たら範囲攻撃、少数なら単体攻撃にするなど。
更に特定の攻撃、例えば弓攻撃ならガードするけどそれ以外はガードしないとか、敵に魔道士がいたら遠隔攻撃で優先的に狙う、1行動目は味方の一番攻撃力が高いキャラにバフを掛けるなど、かなり細かく設定できる。
FF12のガンビットというと伝わりやすいかな?
ガンビットと違って購入しなくても最初から全部使える。
この行動基準は編成画面でじっくり考えるのだが、戦闘直前に変更も可能。
例えば相性の悪い敵と接敵してしまった時に死なないように設定を書き換えるなど、他のゲームでは出来そうで出来なかった仕様がある。
更にユニット自体の編成もステージ攻略中であっても、戦場から一度撤退させれば自由自在なので、まず開幕は戦力を分散させて、ボス戦の前に拠点で一点集中のユニットを再編成ことも可能。
登場するクラスも多くて(仲間になるキャラは60人以上+更にモブを雇うことも可能)、カードゲームでいうところのデッキ構築みたいな感覚で部隊編成を無限に遊べる。
どうあっても弱点が生まれるので(良いバランス!)、それを他のユニットでどう補うか考えて…
編成の試行錯誤だけで1-2時間使う事なんてザラにある。
物語の最後の方まで新しいクラスが登場が続けるので、常に新たな編成の楽しみがある。
SRPGにありがちな自軍が強くなった後半戦の消化試合感はにないし、敵からパラディンばかり出て見飽きる事も無い。
とにかくSRPGのメイン要素である部隊編成や戦場の動かし形が奥深くて、SRPGやってる!って感じがする。
SRPGに本当に欲しい要素の『探索』を極めている
SRPGは編成と戦闘を行き来するゲームが多い(特に昔は多かった)。
ステージの選択はマップで選ぶだけで、RPGのように主人公を自由にグリグリ動かすことが出来ない仕様を、ずっと“窮屈”に思っていた。
シミュレーションではないRPGをプレイする時には、面倒に思いながらも武器屋から宿屋に走って移動して、たまに経路を変えてみたり、噴水を一周してから宿屋に入ったり、こういう“無駄な動き”が息抜きになる。
ゲームをプレイ中、ずっと思考を続けるのでは無く、たまにはボーッと動き回りたいのである。
SRPGの長寿作品のファイアーエムブレムは、最近のものは拠点で主人公を自由に動かして、仲間と会話したり武器を買ったり釣りをしたりする。
トライアングルストラテジーも探索パートをわざわざ用意してくれている。
わかってる。
SRPGで本当に必要なのは、戦闘や編成の息抜きに主人公を自由に動かすことなのだ。
ユニコーンオーバーロードは、更にその上を行った。
一度クリアした戦場はRPGのように自由に走り回れるし、まだクリアしてない戦場も重要なイベントクエストを除けばかなり広範に駆け回れる。
クリアしてない地域はフィールド上で敵に襲われて、接敵すると唐突に1戦のみのユニットの戦闘がはじまり、まるでシンボルエンカウントのRPGをしているかのよう(戦闘はボタン1つでスキップは可能、負けても近くの拠点に戻されるくらいで大きなデメリットは無い)。
武器屋に寄って、町の人と会話して、森の中でアイテムを拾って、怪しい祠があって、ちょっとしたフィールドイベントもある。
まさに普通のRPGで行うような探索要素が、負担にならない程度に良い感じに付いている。
SRPGをして『この橋を渡った先に何があるんだろう?』というワクワク感は初めて感じたかもしれない。
新しい楽しみである一方で、今後のSRPGをプレイする時に探索要素がショボいと絶対に物足りなく感じてしまうだろうのはデメリットかも。
それほど探索要素との融合が素晴らしかった。
細かい所で気が利いた優しい使用
- 戦闘アニメーションはスキップして一瞬で処理可能
- 戦闘前に戦闘後のダメージ予測が出る=圧勝する相手は全部スキップで良い
- フィールドは、ほとんど色んな場所にルーラ(ファストトラベル)が可能
- 世界地図から町で売っているものを見ることが出来る(後から買い直したい時に便利)
- 世界地図に未達成のイベントの発生場所が全部記録される
- 会話済みの町の人は吹き出しが消える(話してない人、新しい会話が出た人が分かりやすい)
などなど。
ゲーム開始時点ではシステムが多くて戸惑うのだが、多数あるクラスは順番に接待ステージが出てきて自然と使い方を学べる。
気がついたらこのゲームに慣れて編成を楽しめるようになっている。
そしてメインが部隊編成と戦場でのユニットの動かし形なので、それ以外の要素は短縮出来るようになっている。
ユニット同士の戦闘のアニメーションは、渾身の編成が上手くいったかどうかの結果を見ているだけなので数回みたら全スキップで良いし、負ける時、予測の被ダメージが異様に多い時だけ戦闘アニメを見て今後の編成の参考にする。
唯一の不満点は装備品の種類が増えてくると特定のものを探すのに時間が掛かったこと。
しかし逆に言うと、ストーリーを進めても序盤や中盤に手に入れた装備品の特殊効果に出番があって、戦略性を高めることに一役買っている。すごいな。
難易度
ゲーム開始時点で選べる一番上の難易度のEXPERTで始めたが、それなりに手応えがあった。
自分の性格上、その時点で集められるアイテムでガチガチの編成を組んで挑みがちだが、それでも適度に難しいところはあった。
ただ欲を言えば、もっと難しくても良かった。
サブクエストを回って装備を集めてしまうと簡単にクリア出来るステージは多くて、途中で不相応に強力な装備を手に入れても使わないようにしたり、サブクエストをなるべく消化せずメインシナシオに突っ込むなど、自分で縛りを入れるほど余裕はあった。
ファイアーエムブレムのような良い成長を引くまでリセマラもどうかと思うけど、もっと切羽詰まる場面は欲しかったなあ、とも思った。
2週目には更に上の難易度のZENOIRAがあるが、ボリューム多すぎてすぐに2週目はちょっと…
開発も周回プレイはあまり想定してないようだし。
ストーリー
本編のストーリーパートはそんなに長くなくて、キャラ同士の会話やサブクエストで掘り下げていく感じ。
全体の会話のボリュームは相当量なんだけど、絶対に見るストーリー部分が手頃な長さのおかげで、やはりメインである編成と戦場に時間を割きやすい。
沢山ある会話システムは、SRPG部分にちょっと疲れた時の息抜きに埋めていくと丁度良い感じ。
ちなみに本編はSRPGに王道の国盗り合戦の裏で不思議な力が関わる系。ありがち。
短いシナリオパートで敵キャラも良い感じに演出されていて、病気の妹の治療費を稼ぐために?盗賊やってるとか、鼠男とか好き。
まとめ
公式サイトに『新生シミュレーションRPG』『唯一無二のゲーム体験』とあるが、正にその通りだった。
SRPGの柱の部分の完成度が高いだけでなく、見るか見ないか分からないような細かな部分、例えば料理が美味しそうに見えたり、雪国で雨技を使うと雪が降ったり、本当に細かいところまで作り込まれていて隅々まで楽しめる作品だった。
2年後くらいにある程度忘れた状態でもう一回プレイしたい。
ではまた。
コメント