目指すデッキやプレイスタイルによって必要なカードは変わる。
とはいえ、EDH初心者にとっては何も指針が無いと困るのも事実なので、独断と偏見で汎用性の高いオススメカードを挙げる。
今回はどんなデッキでも採用候補になる無色・土地カードをピックアップ。
わりとガチ目線なので、序盤のマナ加速を重視しているけど、ゲームスピードが遅い卓では使い捨てやリソースを失って加速するカードは弱いので、求めるゲームによって取捨選択して下さい。
《太陽の指輪》
EDH需要によって大量に刷られて、簡単に手に入るカード。それなのに破格の強さ。
1枚で2マナ生まれるので自分のリソースを増やしており使うだけで得をする。
サーチカードで積極的に持ってきたい強さな上に、色々とかみ合わせが良い点も大事。
例えば緑以外のデッキがマナ加速をする場合には、各種印鑑やタリスマンなどの2マナ域のアーティファクトを使うことになるが、1ターン目《太陽の指輪》から即座に2マナのマナ加速は定番のロケットスタート。
また単に加速手段になるだけでなくコンボパーツとしても有用。
例えば《潮吹きの暴君》《船砕きの怪物》では、唱えるコスト<生み出すマナとなる2枚のアーティファクトによって無限マナを生成可能で、例えば《太陽の指輪》と0マナアーティファクトで可能。
序盤にサーチしたカードがエンドカードになる無駄のない動きはデッキとして完成度が高くて好き。
そんなこと関係なく強いんだけど。
《魔力の墓所》
《太陽の指輪》と並ぶ定番加速。
《太陽の指輪》と同じく積極的にサーチをして、ロケットスタートやコンボに使う。
この2枚のカードがあるために、EDHでは無色2マナを使い切るカードが重要で、《秘儀の印鑑》《リスティックの研究》などを一段と強くしてくれる。
値段は高いものの白・青・黒ではサーチカードで序盤に積極的に持ってきたいカードなので仕事量は多く、全てのデッキに使いまわせるので最初に買いたい高額カードでもある。
《溜め込み屋のアウフ》でアーティファクトを対策する緑単ですら入れるカード。
デメリットのダメージは長期戦では響いてくるものの、ライフが40もあるので序盤は多少のライフを犠牲にしてでも先に展開することが大事。
《血の取引者、ヴィリス》などデメリットを生かす構築も考えられる。
《秘儀の印鑑》《友なる石》
2マナのアーティファクトで1マナ生み出す加速手段として定番の2枚。
アンタップ状態で場に出てデメリット無しに色マナが出るカードは貴重。
注意点としては《秘儀の印鑑》は自分の統率者の固有色しか色マナが出ないので、例えば違う色の対戦相手のクリーチャーのコントロールを得た時に能力が使えなかったりする。
《友なる石》は相手がマナを出す土地を置いていないと使えないので、ゲーム序盤、例えば自分の先攻1ターン目に出した時に多少不都合を感じる時がある。
2マナ域の加速が足りなければ○○の印鑑、○○のタリスマンで補う。
小回りの利かない印鑑は1マナの妨害を構えたい時などに難が出る一方で、《太陽の指輪》などで余りがちな無色マナを使用してくれるので良し悪し。
5色土地
《統率の塔》《真鍮の都》《マナの合流点》《風変わりな果樹園》《禁忌の果樹園》《色あせた城塞》《産業の塔》《宝石鉱山》
3色以上のデッキでは多色地形を沢山積まないと初手の事故率が上がってしまう。
EDHでは《太陽の指輪》など破格の加速カードがあるために、土地が多すぎるとマナフラッドになってしまうため、ある程度土地を切り詰めた構築となりがち。
99枚デッキ(共闘デッキで98枚)の中に土地30枚前後が一般的で、色んな理由があって多めに採用している自分のデッキでも32枚程度。
となると初手では土地1-2枚でキープすることになるので、ここで色マナがちゃんと出るかどうかはとても大事。
3色ならトライオームがあるものの、タップインによる1ターンのロスは大きく、《色あせた城塞》まで使ってしまうのがEDH。
意外と無色マナを生み出すのでダメージは少なかったりする。
また《禁忌の果樹園》は個人的に結構好きなカードで、ガラ空きのプレイヤーにトークンをプレゼントすることで、対戦相手の《織り手のティムナ》を自由にさせない。
《ガイアの揺籃の地》《弱者選別》《悪魔の意図》などに利用されるリスクもあるが、実際の所あまり気にならない。
《風変わりな果樹園》は対戦相手がフェッチランドのみの場合や、先行1ターン目にマナが出ない不具合があるので、それを嫌って抜くこともある。
《古の墳墓》
お手軽マナ加速。
1ターン目に《古の墳墓》から《秘儀の印鑑》は安定の強さ。
《太陽の指輪》《魔力の墓所》で述べた無色2マナを使い切ることの意識は、《古の墳墓》を使う上でも共通する。
《宝石の洞窟》
手番格差の激しいEDHで、後手から逆転する可能性があるカード。
EDHは4番手の勝率が低い。
特に先攻プレイヤーが《リスティックの研究》《神秘的負荷》を置いてしまうと、手番の遅いプレイヤーは支払えずにカードを引かせてしまうか自分の展開を諦めるか最悪の二択になってしまう。
後手から《リスティックの研究》を置いても、先にマナ加速してしまったプレイヤーには効果が薄くなってしまうし。
《宝石の洞窟》は即座にマナが出せるので自分の1ターン目が来る前に《吸血の教示者》を使ってマナ加速に繋げることも出来る。
ただし序盤に重きを置いたガチ対戦でないと、効果は実感しにくい。
手札を1枚失ってしまうので、しっかりドローが入ったデッキでないと加速だけして直ぐに息切れをしてしまう。
《魔力の櫃》
実質的に使い捨ての加速だが、《暗黒の儀式》と違って次のターンにマナを持ち越せることが利点。
例えば1ターン目に《魔力の櫃》を置くと、2ターン目に土地二枚と合わせて5マナ出せるので《むかつき》を唱えられる。
これが《暗黒の儀式》だと2ターン目に4マナしか出ないので、キルターンに差が出る。
《通電式キー》《多用途の鍵》でアンタップすると更に爆発力が上がる。
《通電式キー》は定番の《太陽の指輪》《魔力の墓所》のほか、2マナ以上出るアーティファクトなら全て加速手段にカウントされるし《一つの指輪》のようなカードもあるのでアーティファクトの多いデッキではそこまで突っ込んでも良い。
《金属モックス》《モックス・ダイアモンド》
2KILLがあり得るEDHで序盤のマナ加速は肝であり、もたもたしていると何もできずに終わる。
0マナ加速の中でもこの二枚は場に残り、手軽に色マナを出し続ける点で多くのデッキで採用される。
《太陽の指輪》《魔力の墓所》だけでは無色しか出ないので、これらが並ぶと補完的にも嬉しい。
特に青いデッキは《神秘的負荷》《リスティックの研究》、黒は《むかつき》《ネクロポーテンス》など強力なドローで持て余した手札を一気に展開に使えるので、実は後半に引いても強い。
アド損失が大きいのでドローが苦手なデッキや統率者だと推奨度は落ちるし、高速コンボが飛び交う環境でないと強さを実感しにくい。
《金属モックス》は刻印しなくても場に出せるので、《最高工匠卿、ウルザ》でマナを出す要因として使ったり《鏡に願いを》の協約コストにする場合などにリスクなしで使える。
《モックス・ダイアモンド》は土地を捨てないとそもそも戦場に出ないので注意。
《オパールのモックス》《モックス・アンバー》
0マナモックスなのだが、《金属モックス》《モックス・ダイアモンド》と比べると使用条件が厳しくデッキを選ぶ。
例えば《オパールのモックス》は結構沢山アーティファクトを入れたつもりでも20枚程度しかならず、安定した金属術達成は難しい。
《オパールのモックス》はむしろ《むかつき》など大量ドローを決めた後にマナを増やす手段としての採用理由の方が強い。
《モックス・アンバー》も基本的には統率者が出た後にマナ加速をするので、イメージとしては2マナの統率者を《秘儀の印鑑》のように使う。
この二枚のモックスは1ターン目の動きを強くするわけではない点に注意。
《水蓮の花びら》
0マナの加速というだけで大事なのは上述の通り。
ただしリソースを失って加速するカードなので、例によってリソースを補給する手段や高速コンボに使わないとリターンが少ない。
もちろんゲームスピードの遅い卓では効果を実感しにくい。
《宝石の睡蓮》
3マナ全部を使えず、2マナ加速にしかならないとしても採用候補になる。
さすがに統率者の1マナ分にしか使えないデッキでの採用は見たことがない。
《ウルザの物語》
1ターン目に置いて、3ターン目に《太陽の指輪》を持ってこれば、土地しか置いてなくても3ターン目に5マナ使える。
《魔力の櫃》なら使い捨てだが、3ターン目に6マナ。
3ターン目にカウンターや《夏の帳》《赤霊破》などバックアップありでコンボを仕掛けられるマナになるので、高速デッキでも採用候補。
重量級カードが多いデッキでは他の加速手段と併用して3ターン目に6-8マナに到達できるので、やはり早く仕掛けられて便利。
後引きしてもトークン生成が強くて、アーティファクト主体のデッキだと5/5くらいは簡単に到達するので、長期戦で頼りになるブロッカーに。しかも2体。
欠点は色マナが減ること。
無色の加速を使うデッキでは、主要な色マナ源は土地なので、このカードを使うことで色事故は懸念。
《一つの指輪》
他のフォーマットでも暴れているこのカードは、EDHでもパワーカードである。
特にEDHでは《通電式キー》《水辺の学舎、水面院》《浄化の戦術家、デリーヴィー》《前兆の時計》などアンタップするカードを複数入れて、一気にドローするチェインコンボのような動きが強い。
適当に出すと集中狙いされて逆にリソースを失ったり、アンタップシナジーをたっぷり採用した相手に《掘り込み鋼》《ファイレクシアの変形者》でコピーされて押し負ける可能性があるので、必須とは言い難いところ。
4マナと重く高速コンボを叩きつけ合う卓では使う暇は無いし、雑に使うと対戦相手3人から妨害が集中して、引いたカード以上の損失を出してしまうことも良くある。
《出現領域》
必殺の1枚。
対戦相手がフルタップした時、特にカウンター合戦や妨害のやり取りを見た後にスタックして無限コンボで仕掛けると自分のコンボを通しやすくなる。
のだが、土地セットで見えているので慣れた対戦相手は警戒して迂闊に動かなくなる。
《出現領域》を置いた時点で手札にコンボが無くても、対戦相手からは分からないので何かある前提で動かれてしまう。
コンボ重ねて仕掛けられると防げないし、マナベース壊しとこ、みたいな無駄な妨害を吸ってしまうリスクもある。
《輪作》でいきなり戦場に出せると強いが、《輪作》を握っているうちに手札に《出現領域》を引いてしまってモヤモヤすることも。
《スランの発電機》《金粉の水蓮》《久遠なる栄光の笏》
序盤に全振りデッキや小回りの利くデッキを組む場合には使わないが、6-8マナの高コストのカードを何枚も叩きつけたいデッキでは候補になる。
3マナ生み出す=土地3枚分の働きなので出すだけでアド。
壊されたり止められるリスクがあるが、手軽にリソースを増やせる。
《久遠なる栄光の笏》は単色デッキでないと使えない上に、特殊地形を採用しすぎると効果を発揮できないが、無色のマナ加速が多いEDHでは色マナが複数出る加速は本当にありがたい。
《エルドレインの玉座》
基本的には単色向け。
2色デッキでも色の偏りがあると使えそうだが、自分は単色デッキでしか使用経験が無い。
マナ加速の問題点は固めて引いた時にドロー手段が無いと手詰まりになるが、そんな時にも安心の1枚。
一方で、この手の複数マナが出るアーティファクトの強みは、出してすぐにタップして次のマナ加速を置く爆発力。
重いカードで大量ドローして、ドバッと展開して、また大量ドローして、みたいな。
《エルドレインの玉座》は無色のマナアーティファクトに繋がらないため、微妙に不都合を感じることはある。
やっぱり《金粉の水蓮》の方が使いやすいかなあ。
《彫り込み鋼》
《太陽の指輪》をコピーしたとしても3マナで2マナ加速。
悪くない。
《魔力の墓所》や《太陽の指輪》には見劣りするが、その2枚が破格なだけで3マナで2マナ加速は色によっては全然無い。
《スランの発電機》《金粉の水蓮》の生み出した3マナから《彫り込み鋼》で即座にコピーの加速効率は高いし、《一つの指輪》コピーの選択肢もある。
対戦相手のうち誰かはマナアーティファクトを展開するだろうし、腐りにくい。
《ファイレクシアの変形者》がクリーチャーをコピーしている場合、アーティファクトでもあるので《彫り込み鋼》でコピー可能。
《厳かなモノリス》
迷ったら買わなくて良いです。
実質的に使い捨てのマナ加速であるが、瞬間的な加速効率は無色1マナ分しか増えないので低い。
唱えるのに2マナかかるのがかなりマイナスで、色マナを一気に消費してしまうので、色マナの加速とうまく併用しないと次の呪文を唱えられず、出してすぐに色々することは意外と難しい。
次のターンに持ち越す加速としても《魔力の櫃》より重いため2KILL狙いの高速展開には使いにくく、結構中途半端な感じ。
確かに《ヨーグモスの息子、ケリク》のように相性の良い統率者はいるし、《Power Artifact》との無限コンボもあるが、逆に言えばこのような明確な用途がないと使っても弱い。
《玄武岩のモノリス》
次のターンに使えるマナが増えるのだが、マナ加速と言うよりは無限コンボとして採用するカード。
《ブライトハースの指輪》《見捨てられた碑》《眷者の神童、キナン》など併用して無限マナ。
《催眠の宝珠》と組み合わせて自分のライブラリーを全部削るコンボもある。
普通は無限コンボ目的で採用するので、適当に置くと、どうせ後でコンボに利用されるならと破壊されやすいのが難点。
《裏切り者の都》
使いにくいが、2-3ターンでゲームを終わらせる目的のデッキではデメリットを感じにくい。
無色マナしか加速しないので《暗黒の儀式》《波止場の恐喝者》《ジェスカの意志》などで色マナを増やせるデッキでないと加速の恩恵を受けにくい。
《水晶鉱脈》
《裏切り者の都》と同様に序盤に全振りしたデッキで採用することになる。
《裏切り者の都》が2ターンに渡って2マナ生み出せるのに対して、《水晶鉱脈》は1マナ→2マナなので少し弱い。
とりあえず無色1マナ出る土地として長く置いておけるが、中~長期戦を考えるなら、そもそも色マナが出る土地を採用した方が良いし…
3マナのマナアーティファクト
3マナで1マナしか加速しないカードは少し力不足。
安定して2マナ出せるカードは《摩滅したパワーストーン》くらいでタップインだし無色しか出ない。
《連合の秘宝》《伝説の秘宝》は2マナ出すには条件付き。
1マナ分の加速しかしないなら2マナ域のマナアーティファクトで十分なので、何らかの付加価値が欲しい。
パイオニアEDHでは、(2マナ域が弱いこともあって)《セレスタス》《完全化の杖》を使っているが、オマケのドローが染みる。
ゲームスピードが遅い卓では《セレスタス》の誘発機会は多くなるし、《完全化の杖》は手詰まりを防いでくれるので便利ではある。
もちろん高速ゲームで出番はないが。
《家路》
《金粉のドレイク》で取られたカードを取り返すカード。
《オリークの誘惑》《不実》《袖の下》《召し上げ》なども稀に使われるが、ピンポイントで対策する程かと言われると微妙。
強いスペックの統率者は序盤に《金粉のドレイク》で狙われやすく、黒や緑でサーチしやすいなら採用候補だが、実際には毎回ドレイクされるわけではないし、腐らせることも多くて抜けがち。
《作戦室》《眷者の居留地》
ドロー付きの土地の中で、自分だけ恩恵を受けられる。
単色とか、サイズが大きい統率者なら。
土地を何度もアンタップさせる無限コンボでは勝ち手段にもなる。
例えば《ガイアの揺籃の地》+《覚醒根の精霊》。
《海の中心、御心》《ガイアー岬の療養所》
対戦相手にも引かせるだけあって、上の2枚よりもコストが軽い。
対戦相手に引かせることは必ずしもデメリットとは言えなくて、例えば自分の《フェアリーの黒幕》を誘発させたり、相手の《タッサの神託者》コンボを阻止したり。
まとめ
EDHで有能な無色・土地カードの紹介でした。
高速ゲームに追いつくための序盤のマナ加速を重視しているけど、それらは基本的には高額カード。
目的とするゲームレベルに合わせて取捨選択して下さい。
高速デッキだらけだからと言って、必ずしも0マナアーティファクトを充実させる必要は無くて、《溜め込み屋のアウフ》などで逆に対策しても良い。
ではまた。
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