
『発見』は既にパイオニアで強デッキが誕生しており、EDHでも使ってみたくなる。
《パントラザ》の発見は1ターンに一回の制限だが、明滅やコピー・トークンを出すなど別のオブジェトでの発見は制限しない。
あくまで発見が一回しか行えないだけで能力の誘発は何回でもする。
例えばタフネス1の恐竜を出して発見を行わず、同じターン中にタフネス3の恐竜を出して発見3を行うことは可能。
この《パントラザ》に関してデッキを考えてみたが、今のところ課題が多くて実戦導入できない。
今後の知見や新カード次第で戦えるようになる可能性があるため、現時点での思考まとめを残す。
特定のカードを掘り当てる
発見を生かした固有の構築は、やはり特定のカードを狙うこと。
例えばデッキ内のカードを《自然の秩序》《耕作する巨躯》と土地97枚にすれば、デッキ内の土地を全て場に出せる。

多少スペルを入れる猶予はあるが、とは言え《自然の秩序》1枚頼みではあまりにも脆い。
そこで《パントラザ》の発見で捲れる4マナ以下のカードを数枚採用して戦いたい。
《パントラザ》の発見は1ターンに一回限定だが、再キャストや明滅など別のオブジェクトになれば再度発見できる。
例えば《修復の天使》《ちらつき》で明滅すれば再度発見を出来るし、《熱の陽炎》でコピーを出しても良い。

これなら連鎖させることが出来る。
ここから少し発展させてみる。
《異界の進化》

《パントラザ》で《修復の天使》をめくり、次の発見で《異界の進化》をめくると、《パントラザ》を生け贄に《鏡割りのキキジキ》を場に出し無限コンボになる。

《修復の天使》《守護フェリダー》《アイスウィンドの重鎮》の3枚がETBで明滅できる四マナ以下のクリーチャーなので、これら3枚よりも《異界の進化》が後に捲れればコンボ成立。
他にカードが無ければ75%で成立する。
《異界の進化》が先に捲れたらどうなるかというと《パントラザ》をコストに《ヘルカイトの狩猟者》か《霊体の先達》を戦場に出せば《パントラザ》を出し直すことができるのですチェインはできる(他に決定打が無いと明滅して終わるだけだが)。

また《異界の進化》から《原初の征服者、エターリ》に繋げることが出来るので、それなりのアクションは可能。

デッキ内に明滅やコピーカードが多ければ《エターリ》も連鎖しやすい。
《野蛮な序列》

《パントラザ》はパワーが4なのでコストになれる。
手札にクリーチャーがあれば《暴走暴君、ガルタ》、手札に何も無ければ《原初の征服者、エターリ》にお願い。

《嘶くカルノサウルス》を使えば発見連鎖は出来そうだが、《パントラザ》で狙い打ちするために4マナ以下のカードを絞るところが、5マナ以下を絞らないといけなくなる。

ただ《鏡割りのキキジキ》は《カルノサウルス》コピーで連鎖可能、《霊体の先達》は《野蛮な序列》で墓地に落とした《パントラザ》を釣って連鎖可能なので、5マナ域に気を使えばチェイン自体の維持は可能。
ただし《孤独》《激情》といった発見4で引っ掛からない5マナの妨害カードで止まる可能性がある。

《自然の秩序》
《パントラザ》をコストに使用可能。
《暴走暴君、ガルタ》《耕作する巨躯》から展開を狙いたいが、《パントラザ》は手札を補充する手段が乏しいので、手札に何も無い可能性がある。
そうなると《ベナリアの建国者、トルステン》?

一気に弱くなるな…
《自然の秩序》はパワフルなクリーチャーを呼べるので適当に使うと強いが、今回のようにオールインの構築で狙うとゲームエンドさせるパワーに難あり。
ここは多少ギャンブル要素があるが《太陽の化身、ギシャス》から《原初の征服者、エターリ》や《嘶くカルノサウルス》を狙いたい。
マナ基盤
さて、ここまで四マナ以下のカードを絞って特定の1枚を狙う構築を考えたが、このままでは実質的に《荒地》の無いヒュージリーダーズになる。
《ヒッコリーの植林地》《トロウケアの廃墟》など2マナ出る土地を駆使して《パントラザ》を3-4ターン目に出すことは出来ても、その後が続かない。

《魔力の墓所》《波止場の恐喝者》などの強いマナ加速を切って勝てるほど甘くない。
そこで出てくるのが《ちらつき》《熱の陽炎》などのコピーや明滅スペル。
《パントラザ》で捲るとただ呪文を唱える回数を増やすだけになるが(あっても無くても連鎖に影響しないが)、複数採用すると手札に回ってくるようになる。
すると例えば発見で《波止場の恐喝者》を捲ってマナを増やして、手札から《ちらつき》で《パントラザ》を明滅して再度発見連鎖を続けることが狙える。
手札にこれらのカードが無いと止まる可能性がある一方で、マナ加速は引いてしまった《鏡割りのキキジキ》や《原初の征服者、エターリ》を唱えるための足掛かりになる。
更に明滅・コピースペルが複数あれば、《波止場の恐喝者》にも使用して大量展開と発見連鎖を同時に狙える。
使ってすぐに明滅やコピー呪文を唱えられるマナが生み出せれば良いので《睡蓮の花》《ほくちの壁》《ジェスカの意志》は採用できそうだ。
《砕土》《スカイシュラウドの要求》も?怪しい。
マナ加速を継ぎ足していくと、もはや《修復の天使》→《異界の進化》の順に捲ることは狙えない。
マナ加速や《自然の秩序》からファッティをぶつけていく方向にシフトしていく。
《太陽の指輪》《魔力の墓所》はどうする?
《パントラザ》を早出しする上でもこの2枚は抜けない。
むしろ如何にして使うか?
捲って次のターンに備える。
無難。
自爆ランドや瞬間加速を使ってなければ次のターンは7-8マナが期待できるので《ガルタ》《エターリ》など叩きこめる。
正直尖らせるにしても中途半端な速度となってしまうので《パントラザ》を出した時に
・《異界の進化》《野蛮な序列》《自然の秩序》を捲ってファッティ
・2-3マナ加速するカードで次のターンにファッティ
のどちらかをやんわりと狙うくらいにした方が、ちゃんとマナ加速も入ってゲーム出来るデッキになる。
《ギランラ》が統率者領域から使って1マナ加速のアド+1として有能だったことを考えると、《パントラザ》のコストならやはり2マナ加速を期待したいし、それなら十分実用的では?
次のターンにファッティという意味ではマナ加速に限らず《騙し討ち》《モンスター・マニュアル》でも良い。

単純に強いと言えば《一つの指輪》
何となくデッキが出来てきたが、当初の特化コンボとは明らかに違うデッキに…
一応《夜明けの集会》から《パントラザ》を出せば確定でキキジキコンボに繋がる。

《夜明けの集会》をサーチすることは色的に困難だし、逆に《パントラザ》から《夜明けの集会》を捲ると弱いし、《パントラザ》が絡むコンボはオマケくらいに考えた方が良いのかも。
妨害カード
緑単的には、アドが取れない統率者で細かな妨害を狙うと手札が切れて続かなくなる。
《パントラザ》で捲れても弱い。
やはり高コストのパワフルなカード、《進歩の災い》《頂点のアルティサウルス》で一掃狙い。
《孤独》《熱情》は明滅カードと相性が良いし、《嘶くカルノサウルス》《コグラとイダーロ》も加えればマナ総量5マナ以上だけど軽く使える妨害はそれなりにある。
《溜め込み屋のアウフ》は緑を使うアイデンティティであり、仮に自分出も宝物を使うとしても、これが無いと高速コンボに手も足も出なくなる。

《パントラザ》で捲れても悪くないため、これはさすがに入れておきたい。
諦めるもの
《パントラザ》で捲れて残念なカードは入れない。
《エスパーの歩哨》《オグマの文書管理人》はキープ基準になるかもしれないが、マナ加速してファッティを並べる戦術とシナジーはないし、《パントラザ》から出しても今更感が強い。外れ枠。
こういう細々としたドローは青入り《ティムナ》のように、もっと器用なデッキでやれば良い。
このようなデッキでは1枚で戦況をひっくり返すカードを叩きつけていきたい。
《悟りの教示者》《俗世の教示者》は悩ましい。
《パントラザ》で捲れても《騙し討ち》《波止場の恐喝者》など積むことで次に備えられるが、発見のことだけ考えるなら《異界の進化》《野蛮な序列》の方が明らかに強くて、これらを捲る確率を下げるカードになってしまう。
不足しがちな1ターン目のアクションは利点だが…
あとは《破滅の終焉》《召喚の調べ》など緑の有能なXサーチが使えない。
これは結構痛い。
《ドライアドの東屋》を足して無理くり投入するか…
まとめと今後の展望
発見から悪いことを狙うとカウンターや妨害の的になってしまうので、むしろ“常にマナ加速を捲る”くらいの謙虚さを求めた方がいい。
経験的には、《パントラザ》からマナ加速をする動きが一番強いと思う。
でも、それなら《パントラザ》じゃなくても良くない?
…
それなんだよなあ。
コメント